10の質問で「トリマー」のすべてがわかる!~仕事内容はトリミングだけじゃない場合も!?~
顧客の愛犬の毛をカットするなどして身だしなみを整えるトリマー。ペットを家族の一員と呼ぶほどの愛犬家も多いので需要は多そうだけれど、実際どんな仕事なの?そこで今回は現役のトリマーさんたちに話を聞いてみた。
Q1. トリマーってどうすればなれるの?
A. 私の場合は、「ジャパンケネルクラブ(JKC)」という団体が公認する専門学校に1年ほど通い、試験を受けて公認トリマーの資格を取得しました。
でもトリマーになるのに資格は必須ではなく、ペットサロンも経営しているブリーダー(犬を育てて繁殖させる専門家)のアシスタントや、ペットショップで働きながら技術を身につけることで、トリマーとして認められるケースもあります。
ただ求人の募集要項には公認トリマーを条件にしているところもあるので、資格を取っておいて損はないと思います。
(26歳・女性・トリマー歴6年目)
Q2. トリマーの資格試験は難しい?
A. 「JKC」の公認トリマーには「C級」「B級」「A級」「教士」「師範」の5種類があります。私が持っている「C級」の試験は、実技試験で犬をケガさせてしまったり、極端に時間がかかったりしない限り不合格になることはあまりないので、難しい試験ではないと感じました。
上級資格を取得すると、グルーミングスクールで講師としての仕事もできるようになります。もちろん、上のランクほど学校に通う期間も長くなりますし、難しくなっていきますが、実際トリマーとして現場で働くうえでは「C級」があれば最低限は大丈夫かなと思いますし、グルーミングスクールに通っている多くの人が「C級」を取得すると卒業していました。
(45歳・女性・トリマー歴15年目)
Q3. 勤務先はどういった場所がある?
A. 専門のペットサロン、トリミングもやっているペットショップや動物病院、ブリーダーの犬舎などです。人脈やお金があればすぐフリーとして働く人もいます。
ペット関連のお店は、大手で展開しているお店と個人経営のお店があるので、経営者によって労働環境はさまざま。人件費を削ろうとしている経営者さんのところですと、とても安い賃金で働かなくてはいけないことも…。
(33歳・女性・トリマー歴4年目)
Q4. どういった職場が働きやすい?
A. 人それぞれですね。ブリーダーのもとで働けば外から来るお客さんのトリミングだけではなくて、育てているたくさんの犬の世話やお産などにもかかわれますが、それこそ休みがないほど労働時間が長くなることもあります。
一方、ペットショップなどの店舗勤務であれば、基本的に営業時間だけ働いていればいいのですが、接客など店員としての仕事もこなしていく必要があります。
(33歳・女性・トリマー歴4年目)
Q5. トリミングだけをする仕事は少数派?
A. そんなことはないですよ。ペットサロンで働けば基本的にトリミングを専門に働くことができますし、ペットサロンの募集も少なくないです。
ただトリミングだけとはいっても、毛をカットするほかに、シャンプーや爪切り、耳掃除とやることはいろいろあります。夏場など大型犬の毛を乾かすためにずっとドライヤーをかけていると、熱中症になってしまうのではないかと思うことも。
(45歳・女性・トリマー歴15年目)
Q6. 仕事の大変なところは?
A. 生まれて初めてトリミングをする子犬だと、器具におびえて噛みついてくるので生傷の絶えない仕事です(笑)。
かわしながら、さらに犬を傷つけないようにしながらカットしていくので想像以上に神経を使う仕事だと思います。大型犬だとカットするのに80kgもある体を持ち上げなくてはいけないこともあるので、体力的に大変な面もあります。
(45歳・女性・トリマー歴15年目)
Q7. どの犬種のトリミングが大変?
A. 例えばスタンダードプードルは、ぬいぐるみのようにかわいいプードルの種類のなかでは体が大きい方の犬種ですし、人気だけに飼い主のお客様一人ひとりのこだわりが違うので、その要望にこたえてカットしていくには、かなりの技術が必要だと思います。
大型犬は体重があるだけにおとなしい犬だったとしても大変(笑)。小型犬は臆病な犬種が多いので、そういう犬はじっとさせるのにひと苦労です。
その上、犬のスタイリングは犬種によっても違いますし、流行もあります。お客様がそれぞれどんなスタイリングを望んでいるのかをしっかりと把握して、さらにその通りにカットしなくてはいけないのが、この仕事の難しいところです。
(26歳・女性・トリマー歴6年目)
Q8. 将来的にはどうなりたい?
A. たくさん経験を積んで技術を身につけて、お客様の信頼を得られるレベルになれば独立して自分のお店を持てます。そこまでハードルは高くないし、従業員として働くよりも稼げるようになるので、自分のお店を持つトリマーさんは少なくないですね。
ただ、独立するとお客様の求めた通りのカットにできないと、リピーターにはなってくれず、すぐに離れていってしまうので、失敗できないというプレッシャーは、雇われていた頃に比べれば、さらに重くのしかかってきます。トリマー資格を取ったから、といきなりフリートリマーになる人もいますが、経験がない分、すぐに挫折してしまうとよく聞きますね。
(45歳・女性・トリマー歴15年目)
Q9. プライベートの過ごし方は?
A. 自宅で飼っている犬と猫と思いっきり遊びます。結局、公私ともに動物中心の生活ですね(笑)。ドッグランなどに行くといろいろな犬が遊んでいるので、今どんなカットがはやっているのか、というのは無意識にチェックする癖はついてます。
ちなみに飼い主さんの身なりが上品だったりオシャレだったりすると犬へのトレンドにも敏感な傾向があるので、飼い主さんを見て、その人の犬がどういったスタイリングかは、結構気にして見ているかもしれません。
(33歳・女性・トリマー歴4年目)
Q10. やりがいは?
A. お客様のペットも私のことを覚えていてくれて、再び来店したときに私を見て喜んでくれるとすごくうれしい。それとトリミングしていると、皮膚や毛の状態で飼い主さんが気づかない体調の変化をチェックできるので、いつもより具合が悪そうだと思ったら飼い主さんに教えてあげます。すごく感謝されるので、この仕事をやっていてよかったと思える瞬間の1つです。
(33歳・女性・トリマー歴4年目)