後悔のない大学選びのポイントとは?大学・学部の特徴を理解して志望校を選ぼう

志望校選びに際して、自分だけの基準をどのくらい持っているだろうか。多くの大学に似た名前の学部がある中、それぞれの特徴を知るには、偏差値や知名度だけでなく新たな視点で志望校を探し、検討することが重要だ。
志望校選びでは「社会とのつながり」にも注目してみよう
例えば、「まちづくり」というテーマに取り組むとしても、東京都市大学では「環境学部」「建築都市デザイン学部」「都市生活学部」と、複数の学部が関わってくる。同じテーマであっても、それぞれの学部・学科で学ぶ内容や社会との関わり方は異なるのだ。環境問題に焦点を当てて「まちづくり」に取り組むのか、都市設計の視点で未来の街を描くのか、それとも生活文化や社会構造を通じて地域社会の課題にアプローチするのか。自分の興味やめざす将来像によって選ぶべき道は変わる。ここからは、東京都市大学の学部・学科の学びを例にとって具体的に紹介する。
大学選びでは、こうした学びの多様性や、それぞれの学問がどのように社会と関わっているかに注目し、自分がどのような形で社会に貢献したいのかを考えることが大切だ。
環境学部 環境創生学科・環境経営システム学科 ~環境を学び地球環境に貢献~
環境学部には「環境創生学科」と「環境経営システム学科」という2つの学科があり、違う視点から環境問題の解決に向けたアプローチを行っている。
■環境創生学科
環境創生学科は、生態系と都市・人間活動の調和で自然共生や環境負荷の軽減に取り組み、環境共生型・持続可能な社会を創出する力を養成する。科学的な思考力や技術、資格取得、コミュニケーション能力を高めることで、次世代をけん引しグローバルな視野を持つ人材育成を行っている。
学びの現場では、フィールド調査や化学測定、測量実習を通じ、科学的技術を修得する。測量士補や自然再生士補、技術士補や宅地建物取引士など、多くの資格取得もサポートしている。
【学科の特徴】
フィールド系科目を多数開講、最新分析機器も使用可能、海外プログラムが充実
【学びの領域】
グリーンインフラ事業、生物多様性豊富な未来の創造、エコロジカルな地域づくり、ドローンやGPSなどを活用したスマートなまちづくり、自主的にエネルギーを管理できる住環境形成、水質保全・環境保全、都市空間と緑地環境の再構築
■環境経営システム学科
一方、環境経営システム学科は、深刻化する社会・環境が抱える問題をシステム思考で解決する企画力・立案力・実践力を養成。地球温暖化や生物多様性の減少など、人間の日常生活と事業活動が原因で発生している様々な課題に、環境経営と環境政策を基軸とする教育と研究を推進し、意思決定を行える人材を育む。
【学科の特徴】
企業ニーズに応える環境と経営の統合学修、企業や自治体・NPOと協働した実践教育、多様な視点からの総合的問題解決力を修得
【学びの領域】
持続可能なライフスタイルデザイン、社会変容に向けた参加と協働の場づくり、社会的エコシステムを生かしたSDGsへの貢献
建築都市デザイン学部 建築学科・都市工学科 ~建築と都市~
建築都市デザイン学部は、工学部(現:理工学部)から独立した学部で、前身である「武蔵工業大学」創立時から存在する歴史の長い「建築学科」と土木工学を扱う「都市工学科」で構成される。
■建築学科
建築学科は、工学・芸術的要素の両面から「建築学」を、基礎から専門分野における知識と技術の修得を目的としたカリキュラムを用意。建築計画・設計、建築生産・材料、建築構造、環境・設備の4領域に分け、それぞれを系統的かつ効率的に学習可能であり、建物の意匠や機能性、構法や生産プロセスと材料、安全性の追求、快適性や省エネルギーの観点から建築環境を学ぶ。さらに、設計から施工までの建築業務を学び、実社会で活用できるスキルを磨く。
技術的と芸術的な視点を兼ね備えた革新的で創造性のあるエンジニア・建築家の育成をめざしている。
【学科の特徴】
建築業務ベースの実践的学び、幅広い4つの専門領域、将来は一級建築士として活躍可能
【学びの領域】
災害に強い建築、コンピュータによるシミュレーション、現存しない建築法の復元、社会に役立つ有用な研究成果、サステナブル社会での新しい建築デザイン、長寿命コンクリートの研究
■都市工学科
都市工学科は、都市環境の創造や災害に強い街づくりを担う使命感を持ったエンジニアを育成する。都市が発展し、「より良い環境の創造」「都市の改造」「施設のリニューアル」や「強い防災力」など社会ニーズも高まる。幅広い要請に対応し、質を向上させるのが「都市工学」である。
【学科の特徴】
多彩で独創的なカリキュラム編成、演習科目・体験学習が充実、即戦力をめざせるプログラム
【学びの領域】
地域ごとの避難計画の構築、高度な水処理技術の実現、交通インフラの維持管理技術、地震・津波に対する避難シミュレーション、地震に強い構造物の実現、インフラの維持管理
都市生活学部 都市生活学科 ~魅力的で持続可能な都市生活を創造~
都市生活学部は、都市を舞台に「空間」や「商品・サービス」をプロデュースできる人材を育成する、日本で初めての社会科学系学部だ。都市生活で求められる街づくりや空間デザイン、文化・商業サービスの基礎から応用までを修得できるカリキュラムを構成。「都市のライフスタイル」「都市のマネジメント」「都市のデザイン」「都市のしくみ」の4つの領域から選択することで、学生は自らの関心に応じた専門知識を深められる。魅力的な街や住まい、都市文化、商品、サービスのデザイン(構想・企画)とマネジメント(実現・運営)を担う力を育む。
【学科の特徴】
フィールドでの実践的な学び、企画・運営力を養成、多岐にわたる専門分野・国際化、留学プログラム「TAP」には1学年の半数以上の90名が参加する
【学びの領域】
地域のポテンシャルを生かしたビジネス、魅力ある都市空間、都市ビジネスの未来をデザイン、新しい都市文化の創造、都市の競争力の増進、不動産と都市の関係、フィールド調査、街の魅力をデザインする都市プランナー、ユニバーサルデザインとエコデザインの融合
社会課題への多彩なアプローチを実現する
文系・理系・文理融合系の学問系統を用意

社会環境も大きく変わり、企業には「今までにないもの」「社会をよりよくするもの」を生み出す力が必要になった。それは、新たなサービスや商品の開発、社会環境の変化に合わせたインフラ整備など、「正解のない問い」に挑み続ける力である。今、そうした力を持った人材が、企業から求められている。
そのような人材をめざすためには「自ら学び、自ら考え、自ら実行する力」を養うことが必要だと考える東京都市大学では、学生の主体性と実践的な課題解決力を重視したカリキュラムを導入し、「自学自考自行」の能力を育むことに力を注いでいる。こうした力を養うために、東京都市大学が独自で展開している文理の枠組みを超えた学びやプログラムについて紹介する。
未来を創る力を育む「ひらめき」プログラム
「ひらめき」プログラムは、次世代を担う学生が自ら考え行動し、価値あるアイデアを創出する能力を育むことを目的としたカリキュラム。日本のものづくり分野での強みを生かし、産業を進化させるための知識や技能を深めると同時に、社会が直面する課題に対応する創造力や課題解決力を養う。
プログラムでは課題解決型学習(PBL)を取り入れ、学生たちは具体的な課題に基づいて実践的に学ぶ。さらに、「SDGs」や「Society 5.0」といった現代的テーマに基づく問題解決に取り組むことで、新しい価値を創造する力も磨ける。理論と実践を融合したカリキュラムには、フィールドワークや実地訓練が組み込まれており、学生が現場で得た経験を通じてより深い学びを得られるよう工夫されている。
本プログラムは、2025年度からデザイン・データ科学部を除く全学部で展開する(理工学部以外は「ひらめき・ことづくり基礎プログラム(仮)」として実施予定)。文理横断や分野融合により、幅広い教養と深い専門性を両立させ、諸問題の解決に対応できるさまざまな力を身に付けられる。
※正式名称:「ひらめき・こと・もの・くらし・ひと」づくりプログラム
実社会で活躍する力を育む革新的な学び「SD PBL」
SD PBL(Project Organized Problem based Learning for Sustainable Development)は、知識やスキルを覚える“だけ”の勉強と違い、学んだ知識やスキルを総動員して、自身の価値観や学び方を確かなものにするプログラム。さまざまな授業スタイルを活用し、時代や社会を理解し、問題を発見し、その解決のために学び動くための力を培う。学生全員が授業を取る「必修授業」で、3年次には学部横断のチームを組み、学生主体となって実社会の問題解決に取り組む、幅広い学問を志す学生が集う東京都市大学だからこそ実現できるプログラムだ。
SD PBLでは、実社会の課題を題材とすることで、学んだ知識を社会に活かす力を養い、社会貢献につなげるとともに、問題解決能力、コミュニケーション能力、リーダーシップなど、社会で求められる多様な能力をバランスよく育成する。また、学生自身が問題を発見し、解決策を考え、実行することで、主体性と責任感を高めることにもつながる。
また、現代における技術革新には、多様な人々が交流できる場で、専門家たちが協力して生み出す「複合知」が欠かせない。東京都市大学は、この複合知を生み出す拠点となり、社会の発展に貢献する人材を育成する。学生たちが自らの意思で学び、考え、行動する力を身に付けることで、卒業後には変革を起こす未来社会の担い手として活躍することをめざす。