宇都宮大学/私のイチオシ
植物ウイルスの予防対策を研究し、作物の生産性向上に貢献する

※掲載内容は取材時のものです
コレ知ってる?
農学部と聞くと農業に関連する学問だけのように聞こえますが、農作物を育てていなくても、家庭菜園や学校の花壇で植物を育てた経験や、それらが育てられているのを見たことがある人は多いはずです。そのとき、同じように育てているにも関わらず、成長が遅かったり、枯れたりしたことはないでしょうか。気温や温度、肥料不足などが原因の場合もありますが、もしかすると植物に感染する「ウイルス」が原因かもしれません。新型コロナウイルス感染症の流行で「ウイルス」という言葉を耳にしたことがない人はいないと思いますが、ウイルスには植物に感染するもの(植物ウイルス)もいます。ウイルスに限らず、カビ(菌類)や細菌など、植物に感染する微生物について調べる学問が「植物病理学」です。
この学問のココがおもしろい!

人間や動物などの場合、病気になったら薬を飲んだり安静にしたりすることで回復しますが、植物の場合は病気になったら回復することはほとんどありません。そのため、植物では病気にならないようにする予防対策が重要になってきます。植物ウイルスへの予防対策としては、ウイルスに感染しない品種や感染しても病徴が出にくい品種を利用したり、病原性が弱いワクチンウイルスを予め接種しておくことで、ウイルス病を予防したりしています。このように、ウイルス病の防除に使える遺伝子の探索や、ウイルス病を防ぐためのメカニズムを調べることで、作物の生産性向上に貢献しています。
キャンパスのお気に入りスポット

宇都宮大学の峰キャンパス内には所狭しと建物がありますが、その中に建物の建っていない広々とした日当たりのいいグリーンスペースがあります。春になると桜を見ながらお弁当を食べたり、ベンチで寝たり、キャッチボールをして休憩時間を過ごす学生の姿をよく見かけます。グリーンスペースは農学部の建物の近くにあるので、日々の講義や実験に疲れたときの憩いの場になっています。画像は冬に撮影した写真で緑が少ないですが、入学後の4月にはその良さを実感できると思います。