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燃料の持つエネルギーの有効活用で地球温暖化へアプローチ

顔写真
工学部 機械電気工学科 清水良先生

※掲載内容は取材時のものです

コレ知ってる?

今、地球温暖化が大きな問題となっていて、二酸化炭素の削減、いわゆるカーボンニュートラルへの取り組みがいろいろ行われていることをよく耳にすると思います。そのため、その二酸化炭素を排出している自動車も電動化が進められ、エンジンが無くなると思っていませんか? 
しかし、日本をはじめ、多くの国の電気は火力発電に依存することが多く、電気自動車を増やすことが必ずしも二酸化炭素削減になっているわけではないのです。また、電気自動車は長い距離を走れない、充電場所も少なく、充電時間もかかるので、今のエンジンを積んだ車ほど便利ではないという問題もあります。
このため今のエンジンをもっとよくするとともに、二酸化炭素を増やさない水素や新しい燃料で運転するための研究が行われていて、熱力学や燃焼工学の役割はまだまだ大きいものとなっています。

この学問のココがおもしろい!

エンジンの中では燃料(ガソリン)と空気を混ぜた混合気を圧縮した後、点火して爆発させ、その爆発する力で車を動かします。この爆発は混合気の濃度や点火の様子(強さとかタイミング)、燃焼する場所の形など、いろいろな要因のちょっとした変化に影響され、その結果、うまく燃える、つまり燃費(効率)がよくなるかが決まります。
エンジンが生まれて100年以上たった今でも、化学反応を伴う複雑な流れのある爆発のメカニズムは未解明の部分も多く、正確な予測はできない、言い換えれば、まだまだ改良の余地のある発展途上のものと言えます。事実、ガソリンなどの燃料の持つエネルギーの40%程度しか動力として取り出せておらず、60%は熱として捨てていて、これを減らす余地は大いにあるといえます。
電気自動車を増やす以上に、まだガソリンや軽油をほとんどの自動車が使っている状況では、この効率を1%でも引き上げる方がはるかに二酸化炭素削減につながる、新しいカーボンフリー燃料を使えるようにすることが、現実的な地球温暖化対策になると考え、研究を進めています。

キャンパスのお気に入りスポット

まばたきより早い爆発という一瞬の出来事を、1秒間に数千コマ撮影できる高速度カメラで捉えて、その現象を調べています。また、普通のガスコンロの炎と違い、ほとんど色が見えないので(水素は無色)燃えたかどうかわからないものを特殊な技法で撮影しているのですが、これを是非見てもらい、一瞬にもかかわらずとても複雑な世界があるということを知ってほしいです。
本当に未知の領域ですが、それを明らかにしていく、実験するごとに発見のある醍醐味を垣間見ることができます。またこの爆発(燃焼)以外にも、例えば自然のトンボの羽根の特徴を使った風車、人間の発声の仕組み、鉄などが壊れていく様子など、各研究室では、日常味わうことのできない科学の世界が広がっているので、これら非日常の世界のおもしろさを体験してもらえたらと思います。

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