日本文理大学/私のイチオシ
建築環境が人間に生理的・心理的影響を及ぼすメカニズムを探求する
※掲載内容は取材時のものです
コレ知ってる?
みなさんのご自宅の明かりはどんなものですか?
寝る直前まで明るい光の下で生活を送っていないでしょうか?
入眠の2時間前から部屋の明かりを徐々に落としていくと、深い睡眠に入ることができると言われています。
これは人間の身体が朝日と共に活動モードとなり、夕暮れと共に休息モードとなる機能を持っているためです。
部屋の明かりを夕暮れに近い光とすることで、身体を意図的に休息モードにすることができるのです。
建築環境工学はこの例のように、建築環境(光・音・熱・空気)が人間に生理的・心理的影響を及ぼすメカニズムについて明らかにする学問です。
これらの関係を知り、適切にコントロールすることで、人間にとって快適な生活環境を意図的に作り出すことができるようになります。
この学問のココが面白い!
電気の点いている家と、点いていない家のどちらに泥棒が入ると思いますか?
おそらく電気が点いていない家の方が、泥棒に入られる確率は高いでしょう。ここには「電気が点いている=人が活動している」という心理が働いています。たとえそこに人が居なくても、人が居る「気配」を光で生み出すことができます。
私の研究室では、この「光と気配の関係」を明らかにすることに取り組んでいます。例えば、赤みを帯びた光は温かく感じることや、低い位置にある光は落ち着き感をもたらすこと、人影の映像は人の存在感を感じさせること、などの光による人の心の反応が明らかとなって来ています。
その場に適した気配を生み出すために必要な光とはどのようなものか、について学生と共に考えています。
キャンパスのお気に入りスポット
名作と呼ばれる家具・照明器具の質を体感してもらうために、建築展示室を準備しています。
ここには世界の名作イスや照明器具の実物を取り揃えており、九州内でもこれほどの作品を一堂に集めた展示室はあまり無いと思います。
建築設計の授業ではこの部屋を講義室として利用し、学生には日常的に名作と呼ばれる家具に触れてもらっています。一流のものに慣れていると、そうでないものに触れたときに、なぜそれが一流と呼ばれていたのかに気づくことができます。
オープンキャンパスの際もこの部屋を開放していますので、ぜひ世界で名作と呼ばれる家具や照明器具たちを体感してください。