似て非なる学問紹介 経済学VS経営・商学の違い
経済学と経営・商学。今回は、どちらもしっかり内容を調べないとわかりにくい、この2つの学問の違いについてクローズアップ。どちらに進むか迷っている人、なんとなく決めてしまっている人は、この機会に理解を深めよう!
「経済の仕組み」を考えるのが経済学、「企業経営」について学ぶのが経営・商学
端的にいうと、経済学は「経済の仕組み」を考える学問、経営・商学は「企業経営」について学ぶ学問と言える。経済とは、サービスの提供やモノの購入、消費など、お金の取引が発生する活動のこと。この経済に関する歴史や理論を研究するのが経済学だ。政治や行政との結びつきが強く、社会保障、国際経済、外交に関連した研究も活発に行われている。
経営学は、販売計画の立て方、効率的な人材管理の方法、会計の仕組みなど、企業が事業を運営するために必要な活動について研究する学問。研究対象は企業が最も多いが、病院や軍隊、NGOなどさまざまな「組織」を扱うこともある。商学は企業経営のなかでも、「商取引」に重点を置いていて、企業同士の取引の方法や仕組みを主に学ぶ。組織の運営全体を学ぶか、取引を中心に学ぶかが、経営学と商学の違いだ。
経済学も経営・商学も学部と学科の種類がたくさんある!
経済学を学べる代表的な学科が、経済学科。それ以外の学科として、経済政策学科、国際経済学科なども挙げられる。経済政策学科は、社会保障・環境・労働など、さまざまな社会問題に対して、どのような政策が有効か、経済学の視点から考える学科。国際経済学科は、国家間経済を中心に学ぶ学科であり、語学教育に力を入れている大学もめだつ。
経営・商学も経済学と同様に、専門分野ごとにさまざまな学科がある。例えば、グローバルな企業間取引について考える国際経営学科、資金の調達や運用方法を中心に学ぶファイナンス学科、マーケティングと流通を専門的に学ぶ商業・貿易学科などだ。どの学問も、特に学びたいと思う分野を明確にできると、学科選びに迷わなくてすみそうだ。
卒業後の進路はほとんど同じ!学びの内容から選ぶのがGOOD!
経済学、経営・商学のどちらを学んでも進路に大きな違いはなく、メーカーや銀行など、一般企業への就職が多い。経済学、経営・商学専攻の学生が取得する資格も、公認会計士や税理士など、ほとんど同じ。もし経済学と経営・商学のどちらを学ぶか迷ったら、進路よりも勉強したい内容で考えるといいだろう。