似て非なる学問紹介 外国文学VS外国語学

今回取り上げるのは、外国文学外国語学。どちらも外国に関することを学ぶ学問なのはわかるけれど、内容の違いがはっきりとわからない、という人も多いかもしれない。研究内容や学べる学科、進路などの面から、2つの学問の特徴を比べてみよう。

外国の文学作品を分析するか、語学を究めるか

「外国文学」は、海外の文学作品を読み解く学問。対象となるジャンルは小説や詩、戯曲など多岐にわたる。作品の内容やその著者の生い立ちはもちろん、作品が書かれた当時の人々の生活や社会情勢など、作品のバッググラウンドにある文化や歴史についても学ぶ。また、作品を読むために必要な語学力の習得も並行して行うことが多い。

一方、「外国語学」は、専攻する言語の実用的な能力を身につける学問。「読む」「聞く」「書く」「話す」のすべての能力を習得して、使いこなせるようになることが目標だ。さらに、文法や語源などその言語自体の研究、その言語が使われている国の文化や歴史についての研究も行う。

どちらも、興味のある国や地域の歴史、文化、言語を学べることは共通しているが、学びの目的は異なる。迷った際には、「文学」と「語学」のどちらに興味があるのか考えてみよう。

言語によって学科を分けている大学が多い

外国文学は「英米文学科」、「中国文学科」、「フランス文学科」、「ドイツ文学科」などで学べる。特に英米文学を扱う学科を持つ大学は多い。文学作品を読むだけでなく、作品をもとにつくられた映画を観たり、その作品の演劇を実際に演じたりする大学もある。扱われる作品は大学によって異なるので、どうしても学びたいジャンルや好きな作品・作家があるなら、その大学で扱われているかを調べておいたほうがいいだろう。

外国語学も外国文学と同様に、言語ごとに学科が設けられており、「英米語学科」、「フランス語学科」、「ドイツ語学科」などがある。ネイティブスピーカーの教員が授業を行ったり、語学留学を必修にしたりと、語学力の鍛え方は大学によってさまざま。専攻する言語をどのように身につけたいかを考えながら、大学の情報を収集しよう。

進路は幅広く、語学力を生かせる企業も

外国文学、外国語学ともに、卒業後の就職先としては、商社や旅行会社、航空会社など、語学力が必要になる企業をはじめ、金融、マスコミ、メーカーなど、幅広い。英文学や英語を扱う学科であれば、中学や高校の英語の教員をめざすのも選択肢の1つだ。

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