東邦大学/私のイチオシ
意外と身近で、果てしないロマンが広がる宇宙物理学
※掲載内容は取材時のものです
コレ知ってる?
私の専門は、宇宙のはじまりやブラックホールの謎などを探究する学問分野である宇宙物理学です。いまや必須アイテムとなったスマートフォンをはじめ、私たちの身の回りのいろいろなところで物理学は役に立っています。しかし、宇宙物理学を身近に感じることはあまりないかもしれません。ところが、スマートフォンのナビは、宇宙物理学で重要な相対性理論をきちんと考慮しないとまったく使いものにならないなど、日常の意外なところで大いに関係しています。日常生活からはだいぶ離れてしまいますが、太陽がなぜ燃えているのか、という秘密にも相対性理論が関わっていて、これは原子力発電の原理にもなっています。もっと基本的なところでは、「国際原子時」という地球上の時刻を決める基盤にも、相対性理論は不可欠なものなのです。
この学問のココがおもしろい!
先ほどは宇宙物理学と相対性理論の豆智識について、日常生活との関連から紹介しました。でも、そのおもしろさは、やはり日常からはかけ離れたロマンにあります。電磁波は電場と磁場の変動が波として伝わる現象ですが、その重力版に、アインシュタインが1916年に予言した「重力波」があります。重力波をとらえるという宿題は、100年後!の2016年に解かれました。そして今、重力波を使って宇宙の謎に挑む「重力波天文学」が注目を集めています。その結果、宇宙には想像以上に多くのブラックホールが存在すること、金やプラチナといった元素の起源に対するこれまでの理解が間違っていたことなどが、ここ10年足らずのあいだにわかってきました。研究が進めば、宇宙のはじまり(産声)を重力波で聴くことによって調べることもできるようになるでしょう。確立したばかりの重力波天文学には、またまだおもしろいことがたくさんあります。そのような時期に、研究者として携われる幸運を感じながら研究を進めています。
キャンパスのお気に入りスポット
私のお気に入りは、メディアセンター(図書館)です。大学で使う教科書や専門書は高額なので、興味のある分野について、図書館の蔵書が充実しているかどうか、機会があればぜひ確認してみてください。キャンパスのあちこちにある芝生も気に入っています。ですが、オープンキャンパスでは、やはり物理学科の各研究室をのぞいてみることをオススメします。私の研究室は理論系なので実験装置は扱わないのですが、ほかの研究室にある大きな設備や精緻な装置をみると、やはり興味を引かれるものがあります。皆さんもぜひ確認してみてください。