【大学入試の仕組み】個別試験とは?共通テストとどう違うの?

保護者が大学受験をした頃とは、入試制度も大きく様変わりしています。まずは「今」の入試の仕組みを理解することが、子どもの受験をサポートするうえで欠かせません。ここでは、大学入試で主に課せられる「大学入学共通テスト」と「個別試験」について解説していきます。

大学入学共通テストとは?

大学入学共通テストは、同一日程(毎年1月中下旬の土・日曜)・同一問題で行われる全国共通の試験です。保護者世代にもなじみのある「センター試験」の後継として、2021年度入試より導入されました。さらに2025年度からは、新課程に対応した試験となるため、教科「情報」が新たに加わったり、試験時間が増えたりと変更点も多いので注意が必要です。

国公立大は一部を除いて、基本的に共通テストの受験を必須としているため、国公立大一般選抜受験者にとって第一関門ともいうべき重要な試験です。
また近年では、多くの私立大で「共通テスト利用入試」などの選抜方式が用意されているため、私立大志願者の受験も増えています。

大学入学共通テスト

  • 毎年50万人ほどが受験する大規模な全国共通試験で、国公立大だけでなく多くの私立大が選考に利用している。


  • 2025年度より7教科21科目に再編。受験に必要な教科・科目は大学ごとに異なるため、志望する大学に応じて科目を選択・受験する。


  • 全問マークシート方式。


個別試験とは?

個別試験とは、大学がそれぞれ独自に問題を用意し、受験生に課す個別の学力検査です。その大学・学部等の特色や意図が問題に反映されることが多く、受験生は各大学の出題傾向に応じた対策が必要になります。国公立大と私立大での違いも押さえておきましょう。

国公立大一般選抜の個別試験

国公立大一般選抜の場合、原則として1月の共通テストと、2~3月に各大学で実施される個別試験の結果を合わせた総合成績で合否が決まるため、個別試験は2次試験と呼ばれることもあります。大学・学部によっては「2段階選抜」といって、共通テストの点数が一定以上でないと個別試験を受けられないことも。

多くの国公立大では、個別試験の日程を「前期日程」と「後期日程」、そして一部の公立大では「中期日程」にわけて実施し、最大3回まで受験が可能です。ただし、前期日程で合格し入学手続きをすると、後期(中期)日程の受験資格は失われる仕組みになっているため、第一志望校は前期日程で受験するのが基本です。また、近年は後期日程を廃止・縮小する傾向が続いており、募集人員は前期日程の比重が高まっています。

前期日程では、多くの大学が2~3教科の学科試験を課します。全問マークシート形式の共通テストと異なり、国公立大の個別試験では記述式が多く見られます。一方、後期日程では学科試験を1~2教科に減らしたり、学科試験以外の方法(小論文、面接、総合問題など)を採用する大学も。検討している大学があれば、過去問を早めに見てみるよう、子どもに促すといいでしょう。





2024年度 国公立大学日程・選抜方式別募集人員の割合

私立大一般選抜の個別試験

私立大一般選抜で最もオーソドックスなのは、3教科の個別試験のみを課す選考(3教科型)です。文系学部では英語、国語のほか地歴・公民や数学から1教科選択、理系学部では英語、数学、理科というパターンが一般的ですが、配点は大学・学部によってさまざま。子どもの得意科目の配点が高い入試だと有利になるでしょう。

出題方式も、マークシート方式や記述式、混合方式など大学により異なります。記述式といっても、文章を多く書かせる大学もあれば、記号選択問題が中心のところもあります。特に私立大をいくつか併願する場合は、検討している大学の過去問で出題の傾向や方式を早めに調べておくことが、併願先を決めるうえでも大切です。

私立大では主流の3教科型以外にも、より多くの受験生に受験してもらえるよう、受験教科数が選べたり、個別試験の代わりに共通テストや英語外部検定を活用できたりと、さまざまな制度や入試方式を設けています。多種多様な入試方式から子どもに合ったものを探すのは大変ですが、より合格の可能性を広げることにもつながりますので、気になる大学を中心に募集要項やマナビジョンの大学情報サイトなどで調べてみることをおすすめします。

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