2025年度一般選抜(私立大)の仕組み

※本ページの内容は2023年12月時点の情報です。最新情報は各大学の公式サイトなどで必ず確認してください。

一般選抜(私立大)の入試科目・配点は? 大学・学部・学科で異なる!

■一般選抜(私立大)の入試科目と配点
私立大の一般選抜は、3教科が基本。文系学部では英語、国語のほか地歴・公民や数学から1科目選択、理系学部では英語、数学、理科というパターンが一般的だ。配点は大学・学部・学科によってさまざまで、全科目同じ配点の場合もあれば、特定科目の配点を高くしているケースもある。また都市部の私立大を中心に、出願時に「主体性・多様性・協同性」に関する経験などを提出する動きが広がっているので、提出書類などはしっかり確認しよう。


入試科目と配点の例

大学名 学部(学科)等名 科目と配点
早稲田大 外国語(60)、国語(50)、
地歴公民・数学から1(40)
南山大 外国語(英米) 英語(200)、国語(150)、
地歴・数学から1(150)
近畿大 理工[前期A] 英語(100)、数学(100)、
理科(100)

※2024年度入試

一般選抜(私立大)の入試方式・日程はバラエティー豊富!

■入試方式・日程について
私立大入試では、主流の3教科型の入試をはじめ、得意科目など特定の科目の配点を高くして合計点を算出する方式、大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の結果を利用して合否を決める「共通テスト利用入試」、全学部・学科が同一の問題を使って同じ日に試験を行う「全学部日程入試」、都合のいい試験日を選べる「試験日自由選択制」など、バラエティーに富んだ入試が実施されている。試験日が異なれば、志望する学部・学科を複数回受験できるため、受験機会を増やせるメリットがある。

■試験日自由選択制について
2日以上ある試験日程から自由に受験日を選べる制度を「試験日自由選択制」という。両日試験といって、候補日の中から2日以上(2回以上)受験できる場合もある。
実際の入試では、併願大学の試験日が重なっていて、どちらかの受験をあきらめなければならないこともある。また体力面から考えて、試験日をあまり連続させないことも重要だ。自分が受験しやすい入試スケジュールを組むにあたって、試験日自由選択制はぜひ活用したい制度だ。

■後期日程について
私立大の中には一般選抜を試験日ごとに「前期」「後期」などと分けている大学がある。特に私立大の後期日程は国公立大の後期日程と違い、試験期間が統一されているわけではない。名称もバラバラで、例えば後期日程ではなく、「Ⅱ期」「Ⅲ期」や「B日程」「C日程」、「3月試験」と名づけている大学もある。「一般選抜の中で、比較的遅い時期に実施される日程」と覚えておこう。
なお、後期日程の中には3月に入ってから出願・受験できる日程もある。

■地方試験について
例えば東京にキャンパスを置く大学が関西や九州に試験会場を設けて実施する入試のことを、地方試験という。地方試験を活用すれば、交通費や宿泊費といった出費、移動に伴う体力の消費を抑えられる。大学によって学外会場の有無や実施都市は異なるので、気になる大学が遠方にあるなら、自宅の近くで受験可能か早めに調べておこう。

■近年の入試制度について
このように、私立大学はより多くの受験生に受験してもらえるよう、入試に関するさまざまな制度や入試方式を設けている。大学や学部・学科によってこれらの制度・入試方式の有無は異なるが、自分に合った方式を見つけ、うまく組み合わせて活用することがポイントだ。
また最近では、紙の願書が不要な「web出願(インターネット出願)」を取り入れたり併用したりする大学も増えている。願書の取り寄せや購入の手間が省けたり、24時間どこからでも出願ができたりと、メリットも大きい。合否照会や入学手続までwebで行えるところもある。

入試方式(日程)の特徴

共通テスト利用入試

共通テストを受験するだけで、複数の大学・学部へ出願できる。4~5教科を合否判定に利用する私立大もある。募集人数が少ないため、高倍率になりやすい。詳細は大学入学共通テストの仕組みを参考にしよう。

全学部日程入試

全学部日程(全学部統一)入試は、「すべての学部」を「共通の入試問題で」同じ日に受験できる入試方式のこと。同じ大学に複数受験したい学部・学科がある場合、一度の試験でまとめて受験・合否判定できる便利な方式。ただし、一度に併願できる学部・学科の数や、併願できる学部・学科の組み合わせに制限がある場合も。また、人気のある受験方式なので受験者数が増えやすく、学部・学科の個別入試よりも倍率が高くなりやすい。

科目選択型・得意科目重視型入試

「科目選択型」は名前の通り、受験生が科目を選んで受験できる入試方式のこと。例えば同じ入試方式の中に「2科目型」と「3科目型」が用意されていて、どちらかを選んで受験できるパターンや、3~4科目の中から1科目だけ選んで受験するパターンなどがある。
「得意科目重視型」は、特定の科目の配点が高めに設定されている入試方式のこと。あらかじめ出願時に得意科目を指定するパターンが多い。また、「英語重視型」「数学重視型」など、配点が高い科目が最初から設定されている入試方式もよく見られる。

共通テストとの違いは?

一般選抜(私立大)は大学独自の日程・試験内容を設けており、入試方式もバラエティー豊かなので複数受験も可能だが、共通テストは同一問題・同一日程で一斉に行われ、受験機会は1度のみだ。また、共通テストは全問マークシート方式だが、一般選抜(私立大)の試験は大学・学部・学科ごとに内容が異なり、マークシート方式と記述方式のどちらもありえる。
受験科目については、一般選抜(私立大)は大学により定められた科目を受験するが、共通テストは7教科21科目から志望大学に合わせて選択し受験する仕組みになっている。

一般選抜(私立大)の注意点は? 入試科目が少ないと高倍率になりやすい!

■注意点①入試科目について
私立大の一般選抜にはさまざまな方式があるが、なかには2教科や1教科で受験できる大学もある。受験生にとっては科目数の負担は減るが、その分、志願者が集中し、高倍率になりやすい。早い段階から勉強する科目を絞ってしまうと、志望校選択の幅を狭めてしまうことにもなるため、科目の絞り込みすぎには注意が必要だ。

■注意点②併願大の入試について
一般選抜(私立大)は入試方式が多様で、国公立大学の入試以上にその大学の特徴が出やすい。例えば同じ文学部の試験でも、利用できる入試科目や出題傾向、解答方式は大学ごとに異なる。そのため第一志望大はもちろん、併願大の入試についても詳しく調べることが大切だ。
加えて、併願大を複数受験する場合は、入試のスケジュールにも注意しよう。どの大学も1月から2月(場合によっては3月)に試験を実施するため、試験日が重なってしまうことがある。

入試方式・日程別の実質倍率の例

大学名 学部(学科)等名 入試方式・日程
(教科・科目)
倍率
中央大 法(法律) 一般方式(4教科) 2.5
一般方式(3教科) 4.3
成蹊大 文(現代社会) 3教科型学部個別(A方式) 3.2
2教科型全学部統一(E方式) 9.1
京都産業大 生命科(先端生命科) [前期]スタンダード3科目型 2.9
[前期]スタンダード2科目型 5.4

※2023年度入試(各大学公表資料より)

一般選抜(私立大)のスケジュールは?

一般選抜(私立大)は12月から出願が始まり、1~2月にほとんどの試験が実施される。ただし、一部の後期日程(3月試験・Ⅱ型試験など大学によって名称は異なる)は2月中に出願、3月に試験が実施される。2月までの試験で合格できなかったとしても、3月に受験できる大学もあるので、あきらめずに次の試験の準備を進めよう。

一般選抜(私立大)のスケジュール

前期(2月入試など) 後期(3月入試など)
12月
出願
1月
入学試験
2月
出願
合格発表
3月 入学手続 入学試験
合格発表
入学手続

※詳細は「私立大入試スケジュール」をチェックしよう!

一般選抜(私立大)での「主体性等評価」とは?

■「主体性等評価」について
「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」、つまり受験生の学習意欲や高校3年間の活動も評価しようというのが「主体性等評価」だ。例えば高校から発行される「調査書」には、成績(評定)だけでなく、「総合的な探究の時間」の活動や生徒会、学校行事、課外活動などが記載されており、受験する大学には必ず提出することになっている。

■一般選抜(私立大)での評価方法と対策について
意欲や潜在能力の高い受験生を確保しようと、主体性等評価を取り入れる大学が徐々に増えている。具体的な方法としては、①面接 ②「調査書」の点数化や合否判定での活用 ③受験生本人が記載した資料(志望理由書や活動報告書など)の提出、などがある。③の本人記載資料は、点数化したり合否判定に使ったりすることはあまりないが、面接の参考や入学後の指導資料に利用する大学が多い。
主体性等評価のベースとなるのは、高校3年間の学習や課外活動。高1・2生なら積極的に学内外の活動に参加して記録しておくといい。高3生は、早めに志望大のアドミッション・ポリシーを読み、それを踏まえて高校生活の振り返りをまとめておこう。

一般選抜での「主体性等評価」の例

大学名 評価方法
早稲田大 学校内外で「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」をもって活動・経験したことを、100~500字でWeb出願時に入力する。得点化はせず、合否判定にも利用しない。
盛岡大 学力検査と提出書類(調査書)の審査結果を総合して判定する。調査書は点数化せず、学力の3要素について評価し、同点者の順位づけの必要が生じた際の基準として利用する。
長崎国際大 学力検査と調査書(10点)の合計点で判定する。(一部日程を除く)

※2024年度入試

一般選抜(私立大)で「英語外部検定(英語4技能検定)を利用する入試」とは?

■英語4技能について
英語4技能とは、「読む(リーディング)・書く(ライティング)・聞く(リスニング)・話す(スピーキング)」の4つの力のこと。入試改革でこれらをバランスよく評価することが求められるようになり、4技能を判定できる外部検定(英検、ケンブリッジ英検、GTEC、IELTS、TEAP、TOEFL、TOEICなど)を入試で活用する大学が増えている。
※本記事内では、これらの入試形式を指して「英語外部検定(英語4技能検定)を利用する入試」と表記・説明する。

■英語外部検定(英語4技能検定)を利用する入試について
英語外部検定(英語4技能検定)を利用する入試には、主に次のようなパターンがある。

  • ①出願資格(基準スコア以上あれば出願できる)
  • ②得点加算・換算(スコアに応じて加点・換算される)
  • ③代用(個別試験/共通テストの英語の代わりに、スコアを得点化する)
  • ④みなし満点(基準スコア以上なら、英語の試験を満点とする)
  • ⑤高得点採用(個別試験/共通テストの英語と比較して、得点の高い方を採用する)

外部検定をどのように入試に活用するかは大学や学部によってさまざま。上記のパターンを組み合わせて採用するところもある。募集要項などで確認しておこう。

英語外部検定(英語4技能検定)を利用する入試の例

大学(学部)名 入試方式名 外部検定の活用方法
明治大(経営) 学部別・4技能試験活用方式 所定の検定で基準を満たしていれば当日の「外国語」受験を免除、さらにスコアに応じた得点が合計点に加算される。
愛知大(全学部) 共通テスト利用方式(前期・後期) 所定の検定で基準を満たしており、共通テストの「英語(リスニングを含む)」を受験している場合は、「英語(リスニングを含む)」を満点として換算する。
帝京大(経済、法、文、理工等対象学部) 一般(英語外部試験利用制度) 所定の検定スコアを点数換算し、その「換算した得点」と大学で受験する「英語試験の得点」のいずれか高得点を「英語」の得点に採用する。

※2024年度入試

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