2025年度大学入学共通テストの仕組み

※本ページの内容は2023年12月時点の情報です。

大学入学共通テストとは?

大学入学共通テスト(以下、共通テスト)は、独立行政法人「大学入試センター」とこの試験を利用する各大学が協力し、同一日程、同一問題で実施・運営を行う「大学入試センター試験」の後継となる試験だ。
毎年1月中下旬の土・日の2日間にわたって実施され、2024年度入試(2024年度入学者向けの入試)では志願者数が約49万人、そのうち現役生が約85%を占めていた。

国公立大の一般選抜受験者は、原則共通テストの受験が求められる。また、多くの私立大も共通テストの結果を利用する「共通テスト利用入試」を実施しているため、一般選抜受験生にとっては重要な入試といえる。

共通テストの日程・時間割は?

共通テストの出願期間は9月下旬~10月上旬で、現役生の場合は在学している高校を通じて出願することになる。2025年度の試験実施日は、2025年1月18日(土)、19日(日)と大学入試センターより発表されている。

2025年度共通テストの募集要項発表前のため、2024年度入試の時間割を参考にみよう。共通テストは2日間にわたって実施されるが、私立大の「共通テスト利用入試」などで、文系科目のみ受験が必要な場合は、1日目の受験のみで終了となる。

教科 科目 時間 配点
1日目 地理歴史

公民
世界史A、世界史B、
日本史A、日本史B、
地理A、地理B、現代社会、
倫理、政治・経済
「倫理、政治・経済」※
2科目選択
9:30~11:40

1科目選択
10:40~11:40
2科目選択
200点

1科目選択
100点
国語 国語 13:00~14:20 200点
外国語 英語、ドイツ語、
フランス語、中国語、
韓国語
『英語』
リーディング
15:10~16:30
リスニング
17:10~18:10

『英語』以外
筆記
15:10~16:30
『英語』
リーディング
100点
リスニング
100点

『英語』以外
筆記
200点
2日目 理科(1)
※※
物理基礎、化学基礎、
生物基礎、地学基礎
9:30~10:30 100点
数学(1) 数学Ⅰ、数学Ⅰ・数学A 11:20~12:30 100点
数学(2) 数学Ⅱ、数学Ⅱ・数学B、
簿記・会計、
情報関係基礎
13:50~14:50 100点
理科(2) 物理、化学、生物、地学 2科目選択
15:40~17:50

1科目選択
16:50~17:50
2科目選択
200点

1科目選択
100点

「倫理、政治・経済」は、「倫理」と「政治・経済」を総合した出題範囲です。
※※理科(1)については、2科目を受験すること。1科目のみの受験は認められません。

共通テストの形式は全問マークシート方式

共通テストは、全教科・科目のすべての出題形式がマークシート方式で実施されるので、マークミスには十分注意が必要だ。また、問題用紙に自分の解答を正確に記録しておくことも大切になる。なぜなら共通テストの成績通知は、4月以降に希望者のみに送付されるため、各大学への出願時には正確な成績はわからないからだ。受験後は問題冊子を持ち帰ることができるので、発表された解答を見て自己採点を行い、その自己採点結果をもとに出願する大学を決めることになる。ただし、私立大の「共通テスト利用入試」では、共通テスト実施日より前の出願期間となるケースもあるため、手ごたえや自己採点結果も確認することなく出願校を選ぶ必要がある。
詳細なスケジュールは「国公立大入試スケジュール」「私立大入試スケジュール」を参考にしよう!

共通テストの概要(例年)

出題形式 マークシート方式
出願時期 9月下旬~10月上旬
出願方法 現役生は高校経由で出願
受験料 18,000円(3教科以上)
12,000円(2教科以下)
※成績通知を希望する場合は、プラス800円
成績通知 希望者へ4月上旬以降に成績通知書を送付

受験すべき教科・科目は?

2025年度からは新課程での入試が始まることに伴い、共通テストもこれまでの6教科30科目から、新教科「情報」が加わった7教科21科目へと変更されることが、大学入試センターより正式に発表されている。教科ごとの主な変更点は「新課程入試の仕組み」ページを参照しよう。

それぞれの大学が共通テストで課す教科・科目を設定しているため、受験生は志望する大学・学部・学科に合わせて、共通テストの受験教科・科目を選択する。国公立大では多くの大学が6教科以上を課し、私立大の「共通テスト利用入試」では、3教科を課すことが多い。

■地歴公民の組み合わせについて
地理歴史・公民で2科目選択して受験する場合、『地理総合、歴史総合、公共』ともう1科目で不可となる組み合わせがある。次の選択パターン表で「×」の組み合わせは選べないので注意が必要だ。
また、旧帝大や早慶など難関大を中心に『地理総合、歴史総合、公共』を選択不可としている大学もあるので、志望校のホームページなどで確認しておこう。

地理歴史・公民の2科目選択パターン

地理歴史・公民の2科目選択パターン

■理科について
さらに注意が必要なのは、理科だ。理科は科目選択のパターンが下表のように4つに分かれている。国公立大の文系学部ではAのパターン、国公立大の理系学部ではDのパターンを課す大学が多い。志望校はもちろん、最終的に志望変更の可能性がある大学は、漏らさず受験科目を確認しておこう。

共通テスト「理科」の出題科目の選択方法(2025年度)

科目選択パターン
A 基礎2科目受験 「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」の4科目から2科目を選択。
B 専門1科目受験 「物理」「化学」「生物」「地学」の
4科目から1科目を選択。
C 基礎2科目+
専門1科目受験
「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」の4科目から2科目、並びに「物理」「化学」「生物」「地学」の4科目から1科目を選択。
D 専門2科目受験 「物理」「化学」「生物」「地学」の
4科目から2科目を選択。

一般選抜との違いは?

共通テストは全問マークシート方式だ。対して一般選抜、特に国公立大の個別試験は記述式が多い。私立大の一般選抜は選択式であることが多いが、マークシート方式とは限らない。
また、国公立大志望者は2025年度入試から、共通テストで基本的に6教科8科目を受験する。国公立大の個別試験や私立大の一般選抜は2~4科目しか課されないことがほとんどなので、大きな違いの1つと言える。

共通テスト利用入試のメリット・デメリットは?

■共通テスト利用入試(単独型)について
私立大の共通テスト利用入試には「単独型」と「併用型」がある。多くが単独型で、共通テストの成績のみで合否が決まる。ほかに試験を受ける必要がないので、時間・体力を温存でき、かつ受験校も増やしやすいのがメリットだ。ただし、手軽に受験できる分、倍率も高くなりやすいため、この入試方式のみで併願大を確保しようとするのは危険。あくまで受験のチャンスを広げる方法の1つと考えよう。

■共通テスト利用入試(併用型)について
共通テスト利用入試の併用型は、共通テストの成績と、大学が独自に実施する個別試験の成績を合わせて合否を判定する入試方式だ。
単独型と違って共通テストの得点だけで合否を判定されないため、個別試験の結果次第で逆転合格するチャンスがある。ただし、当然個別試験の対策もしなければならないので、負担感から受験者に敬遠されることもある。

共通テスト利用入試の注意点は?

共通テスト利用入試は、志望大や併願大の一般選抜とは出題内容・出題方式が大きく異なることもある。「とりあえず出願しておこう」と考えずに、しっかり対策したうえで試験に臨もう。実際に、共通テスト利用入試は倍率が高く、簡単には合格できない。私立大志望者であっても、共通テストの予想問題や過去問題で出題形式に慣れておくことが大切だ。
また、出願時期や合格発表、入学手続などのスケジュールにも注意しよう。それぞれ大学ごとに異なるが、共通テストの実施日よりも前に出願しなければならない場合や、第一志望の一般選抜の合格発表以前に入学手続をしなければならない場合もある。

大学進学を考えている人へのオススメコンテンツ!

2023年度入試の共通テストの問題分析やこれから受験を考える人へのアドバイスが「2024年度大学入学共通テスト 自己採点集計データネット(別ウィンドウで開きます)」の「先輩からの入試直前アドバイス(別ウィンドウで開きます)」に掲載されているので、チェックしてみよう。

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いよいよ入試も直前に迫ってきたこの時期。志望校は固まっても併願に悩んだり、出願できる大学を追加しておきたい人もいるのでは?そんな時には「出願締切日」で検索・検討してみよう。ここではさらに「地域」もしくは「気になる条件」で絞り込みも可能! 自分に合った大学選びをしてみよう。

  • 受験チェックポイント

    最終的に受験校を決める前に、まず確認を。受験候補校の願書を取り寄せたり、入試スケジュールを確認したり、できる準備は早めに進めておこう。

  • 入試までにやっておくこと

    準備が整ったら、1日も早く生活のリズムや体調を受験モードに切り替えたい。すべきことをすべて確認できたら、後はリラックスして本番に備えよう。

  • 試験当日シミュレーション

    自分の実力を出しきるために、小さな不安も解消しておこう。入試当日の行動を、朝起きるところから確認しておけば、いざというときにも慌てることはない。