2025年度「新課程入試」の仕組み

※本ページの内容は2023年12月時点の情報です。最新情報は各大学の公式サイトなどで必ず確認してください。

新学習指導要領とは?

■2022年4月、新しい学習指導要領がスタート
学習指導要領とは文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準で、およそ10年ごとに時代の変化に合わせて改訂されている。今回の改訂では、グローバル化や情報技術が急速に進化していく時代の中で、予測困難と言える社会の変化を前向きにとらえ「生きる力」を身につけることを掲げている。
①実際の社会や生活で生きて働く「知識・技能」
②未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力など」
③学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力、人間性など」
この3つの柱からなる資質・能力を、バランスよく総合的に身につけることが、新学習指導要領でめざしているものだ。これに伴い教科・科目の再編や教科書の改訂も行われ、2022年度の高1生から順次、新課程に切り替わっている。

■教科・科目の再編
今回の改訂では、高校で学ぶ教科・科目も見直し・再編されている。教科ごとの主な変更点をチェックしておこう。
【国語】科目が一新され、実社会に必要な言語能力を育成する「現代の国語」と、伝統的な言語文化に対する理解を深める「言語文化」が必履修科目に。
【地理歴史】科目を一新、「地理総合」「歴史総合」が必履修科目に。これらを土台に、「探究」科目では専門的な視野から社会事象を学ぶ。
【公民】「公共」が新設、必履修科目に。
【数学】「数学C」が新設。数学Bの「ベクトル」や数学Ⅲ「平面上の曲線と複素数平面」が数学Cへ移行。
【外国語】再編された「英語コミュニケーション」では4技能を総合的に学び、「論理・表現」ではスピーチなどで発信力強化をめざす。
【情報】科目が一新され、プログラミングの基礎も学ぶ「情報Ⅰ」が必履修科目に。
【理数】新設教科で、「理数探究基礎」「理数探究」の2科目から成る。数学的・理科的な考え方を組み合わせて、課題解決力を養う。

教科・科目と標準単位数の変化

教科・科目と標準単位数の変化

新課程入試とは?

新課程1期生が高3となる2025年度入試から、新学習指導要領での大学入試(新課程入試)が始まる。これまでの入試と何が変わってくるのだろうか。現時点でまだ明確でないことも多いが、大きく変更が予定されている大学入学共通テストを中心に見てみよう。

■共通テストは7教科21科目へ再編
2025年度共通テストでは、現行の6教科30科目から、新教科「情報」が加わった7教科21科目へと変更されることが、大学入試センターより正式に発表されている。教科ごとの主な変更点は以下の通りだ。

2025年度共通テストの変更・注意点

2025年度共通テストの変更・注意点

■地歴・公民は選択科目の組み合わせに注意
地理歴史・公民で2科目選択して受験する場合、『地理総合、歴史総合、公共』ともう1科目で不可となる組み合わせがある。次の選択パターン表で「×」の組み合わせは選べないので注意が必要だ。
また、旧帝大や早慶など難関大を中心に『地理総合、歴史総合、公共』を選択不可としている大学もあるので、志望校のホームページなどで確認しておこう。

地理歴史・公民の2科目選択パターン

地理歴史・公民の2科目選択パターン

■旧課程履修者への経過措置について
2025年度入試で既卒生として受験する人(旧課程履修者)にとって、カリキュラムの異なる新課程入試は気になるところだ。共通テストに関しては、既卒生が不利にならないように、地理歴史・公民、数学、情報の各教科で、旧課程の科目で受験できる経過措置科目(『旧情報(仮)』など)が用意される予定。理科については、必要に応じて既卒生用の選択問題を出題する場合がある。
既卒生は新課程科目と経過措置科目どちらも選択できるが、地歴・公民ではそれらを組み合わせて選択することはできない。また「数学②」の試験時間は、経過措置科目も含めて70分となる。

2025年度入試での影響は?

■国公立大入試
国公立大の一般選抜は、共通テストと各大学の個別試験を中心に合否を判定する(詳細は「一般選抜(国公立大)の仕組み」ページを参照)。
共通テストについては、国立大では原則として『情報』を加えた「6教科8科目」を課す方針を発表しており、一部の後期日程などを除いてほとんどの大学で『情報』を必須としている。一方、公立大では必須とするところもあれば、他教科と選択できる、課さないと、各大学・学部等で判断が分かれている。また『情報』を必須としていても、配点比率は大学・学部等によって異なり、点数化しないところもあるなど扱いはさまざまだ。
個別試験については、詳細検討中の大学が多いため発表を見守る必要があるが、『情報』を必須とするところは限られそうだ。

■私立大入試
私立大学の一般選抜には、個別試験だけでなく、共通テストを利用する入試方式もある(詳細は「一般選抜(私立大)の仕組み」ページを参照)。
共通テスト利用方式で『情報』を必須とするのは、主に工学系統の入試で見られるが、全体の中ではごくわずかだ。共通テストで『情報』を受験していなくても、私立大受験では大きな影響はなさそうと言えるだろう。個別試験を含め、現段階で『情報』について公表している大学のほとんどが、『情報』を課さないか他教科との選択としている。

※入試科目などの最新情報は各大学のホームページなどで随時公開されているのでチェックしよう。また、各大学が発表した入試科目を一覧にまとめた「2025年度入試 新課程入試科目一覧」も活用してほしい。

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  • 受験チェックポイント

    最終的に受験校を決める前に、まず確認を。受験候補校の願書を取り寄せたり、入試スケジュールを確認したり、できる準備は早めに進めておこう。

  • 入試までにやっておくこと

    準備が整ったら、1日も早く生活のリズムや体調を受験モードに切り替えたい。すべきことをすべて確認できたら、後はリラックスして本番に備えよう。

  • 試験当日シミュレーション

    自分の実力を出しきるために、小さな不安も解消しておこう。入試当日の行動を、朝起きるところから確認しておけば、いざというときにも慌てることはない。