【大学入試の仕組み】どんな選抜方式があるの?

保護者が大学受験をした頃とは、入試制度も大きく様変わりしています。まずは“今”の入試の仕組みを理解することが、子どもの受験をサポートするうえで欠かせません。ここでは、入試の選抜方式にはどのようなものがあるのか、解説していきます。

大学入試の主な選抜方式は3つ

入試制度が多様化している昨今、「入試の仕組みがよくわからないので、子どもに受験のアドバイスをしてあげられない…」とお困りの保護者も多いのではないでしょうか。子どもの受験を適切にサポートするためにも、最新の入試制度を理解することが大切です。

大学入試には、大きく分けて「一般選抜」「学校推薦型選抜」「総合型選抜」の3つの選抜方式があります。以前はそれぞれ一般入試、推薦入試、AO入試と呼ばれていましたが、入試制度改革によって、2021年度入試より名称も変わりました。各方式の特徴を順に押さえていきましょう。

一般選抜は学力を重視する選抜

一般選抜(旧一般入試)は保護者世代にもなじみ深い一般的な入試方式で、主に受験当日の学力試験の結果で決まります。国公立大と私立大とでは異なる部分も多いので、その違いも把握しておきましょう。

一般選抜(国公立大)

  • 原則、1月の大学入学共通テスト(旧センター試験)と、大学が独自に用意する個別試験(いわゆる2次試験)の総合成績で決まる。


  • 共通テストは2025年度入試より新教科「情報」が加わり、国立大を中心に6教科8科目を課す大学が多い。


  • 個別試験は前期・中期・後期日程の3つがあり、最大3回受験可能。ただし、中期・後期日程の募集人員は少ない。


  • 共通テストと個別試験の配点や科目ごとの配点は大学・学部等によって異なる。


一般選抜(私立大)

  • 3教科ほどの個別試験を課す「一般方式」が主流。大学により「3教科型」「2教科型」など課す教科はさまざまで、自分の得意科目が生かせる「科目選択型」「得意科目重視型」などがある大学も。


  • 個別試験の代わりに、共通テストや英語外部検定(4技能検定)を利用する入試や、複数の学部を一度の試験で受けられる「全学部日程入試」など、多様な入試方式がある。


  • 大学によっては、地方試験を実施したり、複数の入試方式・学部の併願で受験料の割引を設けたりするなど、さまざまな制度がある。


学校推薦型選抜は高校の成績や人物を重視する選抜

学校推薦型選抜(旧推薦入試)は高校の学習状況や課外活動など日頃の努力が評価されます。指定校制と公募制があり、前者は高校の学校長推薦が必要で、校内選考が行われることもあります。

学校推薦型選抜

  • 高校での成績や取り組みなどが重視されるため、選考は書類審査や小論文、面接などが中心。


  • 国公立大などでは、共通テストを課す大学もある。


  • 主に私立大で多い指定校制は、大学が指定した高校の生徒のみ出願でき、学校長の推薦が必要。公募制は大学の求める条件を満たしていれば誰でも出願可能で、学校長の推薦は基本的に不要。


総合型選抜は学ぶ意欲を重視する選抜

総合型選抜(旧AO入試)は、その大学で何を学びたいか、入学後の目標は明確か、大学の求める人物像に当てはまるか、といった受験生の学ぶ意欲や人物像が選考のポイントになります。

総合型選抜

  • 選考は書類審査や小論文、プレゼンテーション、資格・検定試験の成績、コンクールなどの実績、共通テストや学力試験など、大学によってさまざま。


  • 大学のアドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)に適う人物かどうかが重視される。


  • 高校の学校長の推薦は原則不要。高校の成績など、出願条件は大学により異なる。


学校推薦型・総合型選抜の人気は年々高まる

国公立大では、主流の一般選抜で入学する子どもが8割近くを占めますが、学校推薦型・総合型選抜の募集人員は少しずつ増加の傾向にあります。
一方、私立大では一般選抜で入学する子どもは4割を切り、今や学校推薦型・総合型選抜で入学する子どもが6割近くに。2学期のうちに合否が決まる「年内入試」が多いため、両選抜の人気は今後も高まることが予想されます。

入試制度別に見た入学者数の割合(2023年度)

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