大学研究知ろう!
大学の研究って一体何を学ぶんだろう?
大学の研究室にインタビュー!

言語データベースを活用し
英語教育と異分野融合の
多角的な研究を行う

総合科学系統/総合科学
九州大学 内田諭研究室

コーパスの利用によって効率的に自然な英語を学ぶ

九州大学の内田諭先生が専門とするコーパスとは大規模な言語データベースのこと。誰でもアクセス可能なコーパスもあるが、「高校の英語の教科書」や「2000年代のアメリカ文学」などとテーマを決めて、データを取り込み、独自のコーパスをつくる学生もいる。また、コーパスはコロケーションを調べるのに便利なツールである。コロケーションとはネイティブが話す際によく使う単語と単語の結びつきのことで、これを意識することにより、英語力は飛躍的に伸びる。英語を勉強しているのに苦手な人は、一つひとつの単語は知っていてもその組み合わせ方を知らない場合が多い。

言語学のエキスパートとして異分野融合研究にも参加

コーパスを用いた最近の主な研究は、CEFR(※1)に照らし合わせた英語教科書や参考書の検証だ。今後の需要度は高いだろう。

九州大学ならではの異分野融合研究にも参加している。これは学部を超えて様々なジャンルの研究者(先生方)が共に一つのテーマを研究することで、今までにない多角的な研究を可能にするもの。法学、情報学の研究者とチームを組み、CSR(※2)の研究をしている。各自の研究と課題をシェアすると、思わぬ解決の糸口が見つかるのも異分野融合研究の魅力だ。

選択肢を一つに絞らなくていい好奇心旺盛な学生を歓迎

2018年4月に開設された共創学部は、文系・理系といった学問分野の枠を超えて、多角的な視点と高度なコミュニケーション能力を身につけたい学生にぴったりの学部。「いろんなことができる学部」という内田先生の言葉通り、多様な授業科目の中から、取り組みたい課題に応じて必要な科目を学び、複数の学問分野からアプローチを行う。英語のカリキュラムも充実。文化や専門分野の異なる人と共に学び、研究に必要な思考力や、実際に使える英語をしっかり身につけられるのも大きな魅力だ。

  • ※1Common European Framework of Reference for Languages:ヨーロッパ言語共通参照枠。世界的に広く用いられている学習者の習得状況を示す際のガイドライン
  • ※2Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任のこと。企業の信頼度や、競争力を向上させたり、株価にも影響を与えたりするもの

研究に必要な文理の力

この研究につながる科目・教科

国語や外国語(英語)など語学に直接関係する教科の基礎が求められる。英語が主な研究テーマなのでウエイトは高い。コーパス作成に必要なプログラミングの知識や技能など、情報科目への理解と技術修得も必要だ。

学生の研究テーマ

内田諭研究室では、言語学を通して、他ジャンルを掛け合わせた様々な研究が可能になる。例えば、絵本のコーパスを作成して対象年齢別の特徴を抽出した研究や中学校英語教科書に潜むバイアスを明らかにした研究などがある。

学問の手引き

総合科学は、一つの学問的見地にとどまらず、文理にわたった多角的な視点で現代社会の諸問題を研究する。例えば、社会学、統計学、物理学、人間行動学など、幅広い分野を学び、多様な視点を身につける。