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学生一人ひとりが
持続可能な社会をめざして
課題を設定し、解決に挑む
青山学院大学 升本研究室
この研究室に必要な志向性の内訳
ゼミではそれぞれが興味を持った問題・課題を幅広い分野で取り上げて調査している。「自由」をモットーに、全員が意欲的に自分のペースで取り組みながら、毎回のゼミでは途中経過を発表し、疑問点などを取り上げてディスカッションを行う。自分の興味のある分野において、深く時間をかけて学ぶことができるのは、このゼミならではだ。
この研究につながる科目・教科
国際的な課題を扱うため、まだ日本語に訳されていない文献を読む必要もあり、英語力は大切。加えて各国の政治的な問題など、幅広い知識を持つことで、地球規模の問題を考えることができる。
この研究の学問の手引き
- 国際関係学
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〈他に関連がある学問〉
- 政治学
- マスコミ学
- 経済学
- 社会学
- 経営・商学
地球社会共生学部では政治学、経済学・経営学、メディア・空間情報学、社会学の4つの領域を複合させた学びを提供。専門的な学問分野の垣根を越えて学際的に学ぶことで、多様な視点から私たちが生きる複雑な社会の姿をとらえる力を身につけられる。
青山学院大学(私立大)地球社会共生学部・地球社会共生学科 / 升本研究室
国際協力をキーワードに個人が自由に研究・考察する
地球社会共生学部は、地球規模の課題に向き合い、よりよい地球社会の創出に貢献できる人材の育成をめざしている。学部長の升本潔教授は、国際協力機構(JICA)の職員として、アジアやアフリカなど途上国の環境問題に取り組んできたプロフェッショナル。教授の率いるゼミは、持続可能な開発のための国際協力をキーワードに、学生一人ひとりが地球社会の問題について調査・考察を行っている。
ゼミでの研究は、個人でテーマを持って進めていくのが特徴だ。学生個人が自由に調査や考察をすることで、自分の決めたテーマを突き詰めている。
東南アジア留学を通じて問題意識を高める
ゼミでは、同学部の大部分の学生が参加する東南アジア留学※1の前に研究テーマの方向性を決めるように指導している。海外経験を通じて、地球社会の多様性や異文化理解の難しさに直面し、課題への問題意識を高めることができるからだ。
学生の研究テーマは、海面上昇、オーバーツーリズム※2、再生可能エネルギー、プラスチックごみ、持続可能な都市開発など、多種多様だ。
例えば、タイに留学した学生は、タイのトイレ設備などについて文化や歴史などを踏まえて調査に取り組んだ。現地調査で日本との違いを目の当たりにした学生は、帰国後はタイだけでなく、世界のトイレ設備について調査しているという。
3年次から調査を始め、具体的なトピックに絞ってテーマを深めていき、4年次にはそれらの調査研究を卒業論文としてまとめるまでを目標にしている。
テーマの選定だけでなく、研究の方法も学生の自由だ。継続可能な水産資源管理をテーマに選んだ学生は、文献調査だけでは現状の把握が難しいことから、福島県の漁協に協力を依頼し、現地の職員にインタビュー調査を行った。そのように、研究を進めるなかの気づきや状況判断から、調査方法を見いだしていく。週1回のゼミでは、その進捗を学生が発表し合う。
解決策が見いだせなくてもプロセスこそが大切
地球規模という壮大なテーマに向き合うため、実際に調べ始めると困難な問題が絡み合うことがわかり、解決策が見いだせないこともある。「社会に貢献できる研究成果が得られなくても、実社会の課題に向き合い、貢献意識を高めること、そして研究で学んだ調査のプロセスを社会で生かせる学生を育成することが、本ゼミの目的です」と升本教授は話す。
課題定義から調査・考察までの問題解決の過程を学び、広い視野で国際的に協働できる素養が養われていくだろう。
- ※1新型コロナウイルス感染拡大により2020年度及び2021年度の学部留学は中止した。
- ※2観光客の過度な集中が、地域住民の生活や自然環境に悪影響を及ぼすこと。