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ロボットシミュレータを活用し
災害現場で活躍する
レスキューロボットの開発をめざす
中京大学 清水研究室
この研究室に必要な志向性の内訳
ロボット製作は壁にぶつかることが多い。問題を冷静に見極める現実性、解決策を考え実施・評価・改善すべく根気強く取り組む研究性が強化される。人と協力し、人の役に立てるエンジニアになるために、協調性である社交性、創造性である芸術性も身につく。
この研究につながる科目・教科
ロボット製作には、数学、物理、プログラミングの知識が必要。高校で学ぶ知識は大学での学びの基礎なので、苦手な科目も学習しておこう。ロボット技術の情報は、英語で発信されることが多いので、外国語も重要だ。
この研究の学問の手引き
- 機械工学
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〈他に関連がある学問〉
- 数学
- 情報工学
- 電気・電子・通信工学
- 金属・材料工学
機械工学は、力学などの基礎科目を学んだ後、機械設計や材料、制御や加工など、機械をつくるために必要な知識をひと通り身につけてから、製作を行う。実習・実験科目も多く、手を動かしながら“ものづくり”を追求できる。
中京大学(私立大)工学部 機械システム工学科 / 清水研究室
人間に代わって被災現場を探索するレスキューロボットの研究
レスキューロボットは、災害時に危険な場所に入り、人間に代わって探索するロボットだ。被災者を捜したり、危険箇所などの情報をマップ化したりする。災害時の問題を迅速に解決するためにも「社会でのレスキューロボットの必要性は、高まってきている」と清水
「 災害現場では、大型ロボットでは動きが制限される」と考えて取り組んでいるのが、重心が低くて小回りが利く小型のレスキューロボットだ。上の写真は2004年に開発した小型四脚移動ロボットで、モデルはワニ。腹ばい歩行に着目した。背の高さを上下させて視界を広げ、柔軟に動く脚で段差を乗り越えることができる。
シミュレーションによる評価で確実に災害に役立つロボットを
災害時の現場は、道幅が狭かったり段差があったりと困難な場所がほとんどだ。確実に目的を達成するためには、現場を想定した訓練が不可欠。しかし、訓練用に現場と同じ環境を再現することは難しい。また、訓練のためだけに、貴重なロボットを安易には使用できない。
そこで清水研究室では、バーチャル空間に、地面の凹凸、明るさ、電波など現実に即した環境条件をつくり、画面上でロボットを動かしてシミュレーションする研究に取り組んでいる。「パソコン上であれば、必要な環境を自由につくり出すことができ、ロボットの課題も見えてくる」。学生たちは、必要な演習が思う存分できると話す。
RoboCup出場でエンジニアとしての腕を磨く
研究室では、国際的なロボット大会である「RoboCup(ロボカップ)」のレスキューロボットリーグに毎年参加している。高い目標を持つことによって、ロボット開発の意欲を高めるとともに、技術の習得をめざす。「RoboCupは、他のチーム技術に触れるいい機会」と清水先生。競い合うだけでなく、技術力を向上させる場でもある。
1年次で身につけたプログラミングを基礎にして、実践的なレスキューロボット開発を体験。また、約1年間のチーム活動が、一人ひとりのチームワーク力も育む。出場を通して、社会で活躍できるエンジニアとしての力を身につけることができるよい機会ととらえている。