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コンピュータの画像認識能力を
人間と同レベルまでに高め
各分野の研究に貢献する
九州大学 内田・備瀬研究室
この研究室に必要な志向性の内訳
コンピュータによる画像認識の研究を行っている。どの手法を用いたら認識に効果的かを試行錯誤するので、アイデアを出して検証する力、プログラミングや画像処理の力が鍛えられる。この分野は毎日のように新しい研究成果が発表され、昨日までの不可能が可能になっている。そんな技術発展に貢献したいという人が活躍できるはずだ。
この研究につながる科目・教科
画像情報学で一番必要とされるのは数学。特に高校で習う微分は画像処理の重要なかぎとなる。プログラミングには情報も必須。英語の研究資料の解読や海外の学会に備えて外国語(英語)も高校レベルは完全に習得しよう。
この研究の学問の手引き
- 情報工学
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〈他に関連がある学問〉
- 総合情報学
- 情報科学
- 電気・電子・通信工学
情報工学は、コンピュータについてのあらゆる研究を行う。ハードウェアとソフトウェアの理論と技術を人間社会に役立てて、問題解決を図る学問だ。AI、プログラミング、ネットワークなどをキーワードに具体的な研究内容を調べよう。
九州大学(国立大)工学部・電気情報工学科 / 内田・備瀬研究室
コンピュータに人の目と同じ画像認識能力をつけさせる
九州大学の内田誠一先生が教える画像情報学。これはコンピュータに人間の目と同じような認識機能を持たせることにより、画像内のデータや情報を収集し解析する学問だ。同時に、情報解析のための技術を開発する学問でもある。コンピュータは、すべての情報が数字の羅列でしかない。情報を“モノ”として認識できるよう大量のデータを参考として、コンピュータに学習させる。インターネットが普及し、大量の画像データ取得が可能になった昨今、飛躍的に研究が進んだ分野だ。写真のように、コンピュータに人物を覚え込ませ、場面が変わってもその人物を認識し続けさせることも可能になった。
画像情報学はどのジャンルともコラボレーション可能な学問
画像は、どのような学問・技術分野でもデータとして大量に存在する。つまり画像情報学はどの分野とも共同できる学問だ。その一例が、バイオイメージ・インフォマティクス。生物学は顕微鏡で映すミクロ世界が研究対象なので、目視や直観では限界がある。生物学の画像データを画像情報学のノウハウで解析するという新しい融合研究によって、学問の枠を超えた非常に有益なコラボレーションといえる。
画像情報処理学を用いた文字研究にも取り組んでいる。右上の写真はフォントが違っても「A」を認識する実験だ。ほかにも、マーケティングにも有益な、ジャンル別に使用頻度の高いフォントを分析した研究についても発表する予定がある。
身の回りのゲームやアプリその裏にある数学の面白さ
苦手意識を抱き、高校で数学をあきらめてしまう人も多い。しかし、ゲームや動画、そして様々なスマートフォンアプリなど私たちが重宝し、熱狂するほとんどの技術は、数学と密接に結びついている。関数や代数、ベクトルや微分積分などが使われているのだ。数学的な理論を盛り込んだプログラムによる制御によって、コンピュータが言葉通りの可能性を秘めた道具になるということを、この研究室では体現している。