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社会問題を解決し
人間を支援する
ロボット技術の開発に取り組む

工学系統/機械工学
早稲田大学 岩田研究室

この研究室に必要な志向性の内訳

仮説を立てて検証し、問題解決を繰り返し模索する研究性がロボット開発では必要不可欠。また、グループワークで取り組む場面が多いので、社会性や社交性、それらにもとづいた、コミュニケーション能力も着実に育成される。

この研究につながる科目・教科

ロボットの設計やプログラミング技術は、数学や物理の基礎学力があると、早く身につけられる。外国語も情報収集と論文執筆には欠かせない。また、人の支援から、見た目の美しさにつながる美術も大切にしたい。

この研究の学問の手引き

機械工学
〈他に関連がある学問〉
  • 数学
  • 情報工学
  • 電気・電子・通信工学
  • 金属・材料工学

機械工学は、力学などの基礎科目を学んだ後、機械設計や材料、制御や加工など、機械をつくるために必要な知識をひと通り身につけてから、製作を行う。実習・実験科目も多く、手を動かしながら「ものづくり」を追求できる。

人手不足が心配される産科医療をロボティクスによって支援

「“人間を支援するロボット技術(ロボティクス)の開発” をキーワードに将来的に起こりそうな社会問題の解決をめざしています」と語る岩田浩康教授。

例えば、現在は産科の医師や医療施設数の減少によって、医師の労働時間が長時間化し、妊婦さんは健診のための待ち時間が長くなったり、長距離移動を強いられるといった状況が問題視されている。そこで、岩田研究室では、医師と妊婦さん双方の負担を軽減するために、妊婦超音波検査支援ロボットの開発を進めている。

妊婦さんは自宅か近所のかかりつけ医に設置されたロボットで、好きなときに超音波検診を受けられる。遠隔地にいる産科専門医は、クラウド上にアップされた検診データを手術や診療以外のアイドルタイム(空き時間)にチェックできるので、スムーズな診断が可能になる。

将来の日本では、少子高齢化が進むことにより、医療とロボット技術の融合が期待されているため、研究室では、そんな未来を先取りしながら、日々の研究開発に取り組んでいる。

社会生活のあらゆる場面で人をサポートするロボットアーム

家事をしているときに、「たくさん手があったら、洗濯物をしながら食器も片づけられるのに!」と感じた経験がある人は多いのではないだろうか。研究室では、同時にいくつかの作業を行い、生産性を向上させる装着型ロボットアーム『第三の腕』の実機と知能化技術の開発も行っている。

この開発中の腕は、顔から物体までの距離と方向を計測するセンサーが搭載されているので、装着して顔を動かすだけで、ロボットアームを制御できる。実際に使用するシーンとして、主婦(夫)や家事代行業者、倉庫業者、ケガで松葉杖を使っている人などを支援することが期待される。

企業との共同開発による皮膚一体型ナノシート開発

近年は身につけるICT機器(ウェアラブルデバイス)が注目されている。そこで研究室では、厚さ数十~数百nmの「ナノシート」を電子化することにより、ウェアラブルの先を行く「皮膚一体型」のデバイス開発に取り組んでいる。

この技術が実用化されると、ナノシートを皮膚に貼るだけで、電子マネーや電子チケットとして使えるほか、心拍数データなども簡単に取得できるようになる。

皮膚一体型ナノシートの開発は、学外企業との協同開発で取り組んでおり、研究室の中だけではなく社会と接点を持ちながらプロジェクトを進めることができるのも、この岩田研究室の大きな特徴だ。