ココだけ押さえる!国公立大の入試結果&入試変更点

国公立大の2024年度入試の結果と、2025年度入試の変更点について解説。ポイントをしっかり押さえて、近年の大学入試の傾向をつかもう!
一般選抜の総志願者数は前年並み
日程別志願者数の推移
2024年度(人) | 2023年度(人) | 対前年指数 | ||
---|---|---|---|---|
国立大 | 前期 | 177,520 | 176,484 | 101 |
後期 | 122,195 | 121,821 | 100 | |
合計 | 299,715 | 298,305 | 100 | |
公立大 | 前期 | 54,824 | 54,966 | 100 |
中期 | 31,068 | 31,663 | 98 | |
後期 | 37,653 | 38,246 | 98 | |
合計 | 123,545 | 124,875 | 99 | |
国公立大合計 | 前期 | 232,344 | 231,450 | 100 |
中期 | 31,068 | 31,663 | 98 | |
後期 | 159,848 | 160,067 | 100 | |
合計 | 423,260 | 423,180 | 100 |
※文部科学省『国公立大学入学者選抜確定志願状況』より※独自日程を除く※対前年指数とは、前年の志願者数を100とした際の数値
年々減り続けている国公立大の志願者数。18歳人口が減少していることが一因だが、2024年度はさらに受験生が減ったにもかかわらず、国公立大一般選抜の総志願者数はほぼ前年並みをキープした。特に国立大前期日程では対前年指数101と、志願者が増加している。
後期日程でも、国立・公立とも志願者数が大きく減ることはなかった。その一方で、後期の欠席率は年々上昇していることにも注目しよう。2024年度の欠席率は63.7%(ベネッセコーポレーション調べ)、つまり出願者のうち実際に受験するのは4割にも満たないということだ。早いうちに進学先を決める受験生が増えており、後期日程では実質倍率が1倍台にとどまっているところも少なくない。後期日程の受験校までしっかり検討し、あきらめずに受験を続けることが、国公立合格の可能性を高めるポイントと言えそうだ。
難関国立10大学の総志願者数は前年より増加
難関国立10大学の志願者数(一般選抜)
2024年度(人)
2023年度(人)
対前年指数
北海道大
9,482
9,808
97
東北大
5,702
5,246
109
東京大
9,432
9,306
101
東京工業大
3,982
4,167
96
一橋大
4,404
4,380
101
名古屋大
4,449
4,334
103
京都大
8,206
7,827
105
大阪大
7,196
7,398
97
神戸大
10,156
9,905
103
九州大
7,540
7,285
104
合計
70,549
69,656
101
2024年度(人) | 2023年度(人) | 対前年指数 | |
---|---|---|---|
北海道大 | 9,482 | 9,808 | 97 |
東北大 | 5,702 | 5,246 | 109 |
東京大 | 9,432 | 9,306 | 101 |
東京工業大 | 3,982 | 4,167 | 96 |
一橋大 | 4,404 | 4,380 | 101 |
名古屋大 | 4,449 | 4,334 | 103 |
京都大 | 8,206 | 7,827 | 105 |
大阪大 | 7,196 | 7,398 | 97 |
神戸大 | 10,156 | 9,905 | 103 |
九州大 | 7,540 | 7,285 | 104 |
合計 | 70,549 | 69,656 | 101 |
※文部科学省『国公立大学入学者選抜確定志願状況』より
人気の高い難関国立10大学(北海道大、東北大、東京大、東京工業大、一橋大、名古屋大、京都大、大阪大、神戸大、九州大)を見ても、2024年度一般選抜の総志願者数は7万549人(対前年指数101)で、前年より増加した。10校のうち7校が対前年指数で100を超えている。
これまでは入試制度が変わる前の年というと、受験者は浪人を避けようと安全志向に傾きがちだった。しかし2024年度は、翌年から始まる新課程入試を控えていたにもかかわらず、特に難関大で志願者を増やした。安全志向に流されず、受験生のチャレンジ意欲は高かったようだ。
特に志願者が増えたのは東北大。昨年、世界トップレベルの研究水準をめざして国が認定・支援する「国際卓越研究大学」の候補に初めて選ばれたというニュースで注目を集めたのかもしれない。一方、2023年度入試で志願者が集中した一橋大のソーシャル・データサイエンス学部は、2024年度では敬遠されたのか志願者が激減した。
志願者の増減は翌年の入試で反動が起きやすいので注意しよう。※2024年5月時点ベネッセコーポレーション調べ
募集枠が広がる学校推薦型・総合型選抜
学校推薦型選抜と総合型選抜の入試方式が普及するにつれ、国公立大でも両選抜の募集人員を増やそうという動きが見られる。なかには、両選抜と一般選抜との募集人員の割合が半々に近い大学も。エリアでの差もあり、とくに東北や中国・四国の大学で両選抜の比率が高い。
ただ、募集人員は増えている一方で実際に志願する人は減少しており、国公立大では依然、一般選抜に挑戦する傾向が続いていると言えそうだ。
2025年度の主な入試変更点
新課程入試が始まる
新しい教育課程で履修してきた現高3生が受験する2025年度から、新課程での入試が始まる。大きな変更があるのは大学入学共通テストで、新教科『情報』が加わった7教科21科目に。既存の教科でも解答時間や出題範囲など変更点も多いので、大学入試センターやマナビジョンの入試情報ページでしっかり確認しておこう。
また、2次試験とも言える個別試験でも、数は少ないが『情報』を課す大学もある。志望校の公式発表や選抜要綱などを確認し、最新情報をキャッチしていこう。
募集人員の変更に注意
近年、後期日程を縮小・廃止する動きが続いている。2025年度入試では、東京学芸大が後期の募集人数を減らすほか、茨城県立医療大や長崎大薬学部薬学科などで廃止の予定だ。その分の募集人員を学校推薦型選抜・総合型選抜に回すことが多く、国公立大においても両選抜の割合はますます増えていくだろう。
また、東京工業大(2024年10月より東京医科歯科大と統合し、東京科学大に)や滋賀大データサイエンス学部、宮崎大工学部など理工系の大学・学部では、学校推薦・総合型選抜で女子枠を設ける動きが続いている。
※2024年6月時点での情報。新設の大学名・学部名などは申請中であり、すべて仮称。詳細は各大学が発表する最新情報を確認しよう。