ココだけ押さえる!国公立大の入試結果&入試変更点

国公立大の2025年度入試の結果と、2026年度入試の変更点について解説。ポイントをしっかり押さえて、近年の大学入試の傾向をつかもう!
一般選抜の総志願者数は前年より増加
日程別志願者数の推移
2025年度(人) | 2024年度(人) | 対前年指数 | ||
---|---|---|---|---|
国立大 | 前期 | 178,611 | 177,520 | 101 |
後期 | 121,128 | 122,195 | 99 | |
合計 | 299,739 | 299,715 | 100 | |
公立大 | 前期 | 57,108 | 54,824 | 104 |
中期 | 32,841 | 31,068 | 106 | |
後期 | 38,813 | 37,653 | 103 | |
合計 | 128,762 | 123,545 | 104 | |
国公立大合計 | 前期 | 235,719 | 232,344 | 101 |
中期 | 32,841 | 31,068 | 106 | |
後期 | 159,941 | 159,848 | 100 | |
合計 | 428,501 | 423,260 | 101 |
※文部科学省『国公立大学入学者選抜確定志願状況』より※独自日程を除く※対前年指数とは、前年の志願者数を100とした際の数値
文部科学省から発表された「2025年度国公立大学入学者選抜確定志願状況」によると、2024年度に比べ、2025年度の志願者数は微増となった(独自日程を除く)。この志願者増の背景には、今年度の18歳人口が昨年より増えていることもある。
主だったところでは、公立大の各日程で志願者数が増え、前期では前年度指数が104、後期でも103となっている。特に中期日程では対前年指数106と、大きく増加している。これは、後期日程の募集が縮小傾向にあるため、公立大中期への志願者数が増加したものと考えられる。現役志向や地元志向の傾向が高くなっていることもあり、学費や通学費用を抑えられる公立大学への志願者が増加している可能性も考えられる。
国公立大合格の合格率を高めるには、志願する受験校の情報だけでなく、ほかの国公立大の募集状況や日程もチェックして、受験戦略を考えることもポイントと言えそうだ。
難関国立10大学の総志願者数は前年より減少
難関国立10大学の志願者数(一般選抜)
2025年度(人) | 2024年度(人) | 対前年指数 | |
---|---|---|---|
北海道大 | 9,406 | 9,482 | 99 |
東北大 | 5,995 | 5,702 | 105 |
東京大 | 8,421 | 9,432 | 89 |
東京科学大学(旧東京工業大) | 4,657 | 4,997 | 93 |
一橋大 | 4,568 | 4,404 | 104 |
名古屋大 | 4,567 | 4,449 | 103 |
京都大 | 8,077 | 8,206 | 98 |
大阪大 | 7,099 | 7,196 | 99 |
神戸大 | 10,394 | 10,156 | 102 |
九州大 | 7,286 | 7,540 | 97 |
合計 | 70,470 | 71,564 | 98 |
※文部科学省『国公立大学入学者選抜確定志願状況』より ※東京医科歯科大学HPより「2024年度一般選抜志願者状況」
2025年度より、東京工業大と東京医科歯科大が統合し、東京科学大学となった。上記の表では、2024年度の志願者数は東京工業大と東京医科歯科大の志願者数を合計した数値で集計。2025年度の東京科学大の志願者数とを比較している。
人気の高い難関国立10大学(北海道大、東北大、東京大、東京科学大(旧東京工業大)、一橋大、名古屋大、京都大、大阪大、神戸大、九州大)では、2025年度一般選抜の総志願者数は7万470人(対前年指数98)で、前年より減少した。2024年度入試では10校のうち7校が対前年指数で100を超えていたが、2025年度は10校のうち6校が100を下回っている。
難関国立10大においても、学校推薦型・総合型選抜の拡大が続いていることなどが、一般選抜の志願者数が減っている要因と言えるだろう。
一方、一昨年「国際卓越研究大学」に選ばれた東北大では、理系を中心に志願者が増えている。東京大や東京科学大など、今年度志願者数が減っている首都圏の難関大からの志望変更が続出したものと考えられる。
志願者の増減は翌年の入試で反動が起きやすいので注意しよう。
※2025年5月時点ベネッセコーポレーション調べ
募集枠が広がる学校推薦型・総合型選抜
学校推薦型選抜と総合型選抜の入試方式が普及するにつれ、国公立大でも両選抜の募集人員を増やそうという動きが見られる。なかには、両選抜と一般選抜との募集人員の割合が半々に近い大学も。エリアでの差もあり、とくに東北や中国・四国の大学で両選抜の比率が高い。
個別大に目を向けると、どのエリアにおいても学校推薦型・総合型選抜の募集人員が全体の3割を超える国公立大が見られる。
2026年度の主な入試変更点
募集人員の変更に注意
昨年度に引き続き、後期日程を縮小・廃止する動きが続いている。2026年度入試では、医学部や教育学部を中心に後期日程の縮小・廃止が予定されていて、
旭川医科大医学部医学科や群馬大共同教育学部などで後期日程を廃止する予定だ。その分の募集人員を前期日程に増員する動きがみられる。
また、理工系を中心に複数の学科を1つの学科にまとめる大括りの改組を予定している大学の学部が多くみられる。大学によっては入学後の興味・関心の変化によって学ぶ内容・分野が変更しやすくなるというメリットがあるため、専門分野の決定時期も確認しておきたい。
※2025年6月時点での情報。詳細は各大学が発表する最新情報を確認しよう。