アスリートが集まるのは?五輪メダリストの出身大学

パリオリンピックで多くのメダリストを輩出した大学と、それぞれの大学の特徴を紹介しよう。名アスリートの多い大学には、納得いく理由がある。スポーツが好きな人は、大学選びの軸を広げる参考にしよう。

ダントツの日本体育大と、それを追う4大学

2024年パリオリンピックの日本代表メダリスト 出身大学トップ3

     
1位 日本体育大 8人
2位 法政大 5人
3位 中央大 4人
東海大
早稲田大

2024年のパリオリンピックで最も多くのメダルを獲得したのは、日本体育大出身の選手たち。過去のオリンピックでも、同大学出身のメダリストは多く、体育大学の名に恥じないアスリートの名門校だ。今大会では、レスリングで金メダルに輝いた選手が5人もいた。

2位は法政大、3位は中央大、東海大、早稲田大が並んだ。法政大と中央大はフェンシングに、東海大は柔道に、メダルを獲得した選手が集中している。

伝統と最新科学の融合が飛躍のヒケツ?

日本体育大

日本最古の体育・スポーツの専門大学である日本体育大。こうした伝統と歴史に加えて、最近では、NASS(日体大アスリートサポートシステム)という全学生対象の支援システム運営にも力を入れている。
NASSは「医・科学サポート」「パラアスリートサポート」「コーチングサポート」「研究サポート」「タレント発掘」から構成されており、映像を活用したパフォーマンスの分析や、栄養・心理面の専門的なケアなど、多様なサポートをアスリートに提供する。映像分析のアナリストなどとして、学生が関わる機会もあるようだ。

法政大

法政大は日本でいち早くフェンシング部を創設した大学だ。1935年の創設以来、日本のフェンシング界をリードし続け、パリオリンピックでも金メダル受賞者を輩出している。
法政大のスポーツを教育・研究面でけん引しているのが、スポーツ健康科学部だ。ヘルスデザイン、スポーツビジネス、スポーツコーチングの3コースが設けられた学部で、スポーツ指導者をめざすための学びや、スポーツビジネス・メディアにかかわる学びなどを深められる。また、学部生専用のクリニックやリハビリ実習室を設けているのも、法政大ならではの特徴だ。

中央大

中央大も、法政大同様にフェンシングで多くのメダルを獲得している。また、ボクシングやローイング、ハンドボールなどでも、メダルは逃したもののパリオリンピックに出場を果たしたOBは多い。
中央大が独自に展開している「ファカルティリンケージ・プログラム」は、学部の枠を超えてさまざまな専門科目を履修できるプログラム。テーマの1つには「スポーツ・健康科学部プログラム」がある。めざしているのはスポーツで社会を変えるクリエイティブな人材の育成で、どの学部生でも受講することができる。

東海大

東海大は柔道で輝かしい実績を持つ大学だ。パリオリンピックでも、柔道部の卒業生4名が団体戦に出場し、銀メダルを獲得 。その柔道部は全日本学生優勝大会でも、27回と最多の優勝記録を保持している。
東海大の体育学部には、武道を科学的に研究し技術を磨く武道学科をはじめ、体育教師やスポーツ指導者をめざす体育学科、アスリートやコーチ・トレーナーをめざす競技スポーツ学科、健康増進のための運動指導を学ぶ生涯スポーツ学科、幅広くスポーツやレジャーを捉えるスポーツ・レジャーマネジメント学科と、ユニークな学科がそろっている。

早稲田大

パリオリンピックに出場した早稲田大出身の選手は非常に多く、在学生や卒業生から30名以上の日本代表を出している。
そのうち、ほとんどはスポーツ科学部出身だ。スポーツ科学部はスポーツ医科学、健康スポーツ、トレーナー、スポーツコーチング、スポーツビジネス、スポーツ文化の6つのコースから構成される。スポーツをさまざまな面から理解できるほか、スポーツでよく使われる英語表現を集中して学ぶ「スポーツ英語」など、独特な専門教育も提供している。

これまで見てきたように、アスリートを多く輩出している大学は、スポーツに関する研究力も、教育力も高い!アスリートをめざす人はもちろん、将来スポーツに関わる仕事がしたかったり、好きな競技があったりするなら、こうしたスポーツに力を入れている大学を調べてみると、進路選択の幅が広がるだろう。

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