南山大学/私のイチオシ
自分たちの文化への理解を深め、異文化への寛容な心を養う文化人類学
人文学部 人類文化学科
石原美奈子先生
※掲載内容は取材時のものです
コレ知ってる?
私たちが「当たり前」と思っている事柄は、ひとたび国境を越えると「当たり前」ではなくなります。いくつもの異なる「当たり前」に接することは、自分たちの「当たり前」を見直すきっかけとなります。文化人類学はそうしたきっかけをつくり、自分たちの文化や社会への理解を深めるとともに、異なる文化を持つ社会や個人に対する寛容な心を養う学問であると言えます。
この学問のココがおもしろい
「深く知る」ことは、現地に赴いて五感を働かせて、いろんな人々と対話をして初めて到達できる境地です。でも、社会はどんどん変化しているので、なかなか「深み」に達することができません。私はさまざまな国や地域の宗教に関心があるのですが、知れば知るほど「無知」の領域が広がるばかりです。ひとつ謎が解けると、また別の謎が生まれる。そうした謎解きの研究を「民族誌」のかたちにまとめていきます。
目の前につきつけられた謎を解き明かした後にどんな普遍的なことが語れるのか。「異文化」の向こうに開ける「普遍」を探る営み、それが文化人類学の面白さだと思います。
キャンパスのお気に入りスポット
人類学博物館にはぜひ足を運んでもらいたいです。日本の考古学の遺物もあればニューギニアやアフリカの仮面などもあり、それらはガラスケースの中ではなく、直接間近で見ることができます。そもそも展示されている「資料」は、博物館の展示品となり大学の財産になっているので、異なる「価値」が付与されているだけの話です。摩訶不思議な展示資料を眺めながら、それらが一体どのような人々によって、どのように使われたのだろうか、と思いを馳せながらご覧いただきたいです。