自分の天職を探してみよう 業界&職業研究<教育業界編>

もしキミが、学校の先生や保育士になりたいと思っているなら、最新の教育動向について知っておいた方がいいだろう。そこで今回は、知っておきたい教育関連のニュースについて解説しよう。

出生数が最盛期の約3割!教育業界に影響を与える少子化問題

日本では少子化が進行していて、出生数の最盛期、第一次ベビーブームの時は年間約270万人もの子どもが生まれていたが、2022年の出生数は約77万人。このままだと、日本の人口は2056年に1億人を割ると予想している研究もある。

少子化が進めば、子どもの絶対数は減り、それだけ教育の需要も減る。少子化が教育に与える影響は、既に社会のあちこちで見られている。

学校の先生を志望している人は、少子化とあわせて「学校統廃合」についても知っておこう。子どもの数が減ったために、空き教室がめだったり、休校せざるを得なかったりする小学校・中学校が増えている。こうした学校同士を合併させるのが、学校統廃合だ。教員の採用者数は伸びているが、少子化の進行や学校統廃合による学級数の減少などで、地域によっては教員の需要に影響が出てくるかもしれない。

待機児童問題の解消を阻む「保育士不足」

保育所に子どもを入れたくても空きがなく、「待機児童」があふれて社会問題となった2010年代。その後、全国で保育施設を増やす取り組みが加速したかいもあって、待機児童数はずいぶん減少した。しかし都市部など人口増加率の高いエリアでは、待機児童をなくすことはそう簡単ではない。

保育施設は順調に増えている一方で、依然追いついていないのが保育士の数だ。保育園をつくっても保育士を確保するのが難しく、東京都では保育士1人に対して約3件の求人があるほど担い手が不足している。
保育士不足の原因には、他人の子どもを預かる責任の重さ、労働時間の長さ、給料の安さと、主に待遇面にあると言われる。こうした背景があって、資格を持っていても保育士として働いていない「潜在保育士」が多いようだ。

国も保育士の給与引き上げのために補助金を出したり、労働環境や待遇面の改善、潜在保育士の就職支援に乗り出したりしている。これから保育士をめざすなら、そういった業界改善の動きについても注目しておくといいだろう。

教育に携われる、あんな職業こんな職業

学校の先生と保育士に関する大きな話題を取り扱ったが、教育に携われる職業はまだまだある。仕事の内容などを見てみよう。

栄養教諭

生徒と保護者に対して、食生活全般の指導を担う先生。給食のメニューづくりにかかわる場合もある。この免許を取得するには、栄養教諭養成課程のある学校に通う必要がある。

司書

図書館に勤務し、本の収集、整理、貸し出しや、館内の案内を行う。大学で図書館学を学び、公務員試験か民間の採用試験に合格すればなれるが、倍率は例年かなり高め。一般の図書館ではなく、学校の図書室に勤務する「司書教諭」もある。

学芸員

博物館の運営、展示物の管理をする職業。美術館、水族館など、博物館にはたくさんの種類があり、それぞれで高い専門性が求められる。そのため、大学院を修了した人が採用されやすい傾向にあるようだ。

社会教育主事

公民館での生涯学習やスポーツイベントなど、学校以外の場所でも、教育活動はたくさん行われている。こうした活動に対して指導するのが、社会教育主事だ。学校の先生として、もしくは社会教育主事補として、経験を積んでからでないと資格を取得できない。

法務教官

少年院や少年鑑別所で、子どもたちの社会復帰を助けるために、教育や相談を担当する職業。さまざまな問題を抱え込んだ子どもたちと上手につき合う、バイタリティが求められる。公務員試験では教育学心理学社会学的な内容が問われるので、それらの学問を学べる学部に進学した方が有利になる。

教育にかかわる仕事は、なんらかの資格を必要とすることが多い。資格が不要な場合でも、採用されやすい学部など大学での学びも就職には影響がありそうだ。興味のある仕事に就くにはどんなルートがあるのか調べてみよう。

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