フード業界で働こう

~人々の生活にとって必要不可欠な「食」を支える業界。外食はレジャーの一つとしても、大きな位置を占めています。近年は「食文化の継承」「食の安全」「食育」といった面からも、社会的な関心が寄せられています。~

どんな業界かを知ろう!

人々の食生活の充実、食文化・伝統の継承に貢献

 「フード業界」と聞くと、レストランで働くコックを真っ先に思い浮かべる人が多いと思います。しかし業界のすそ野は広く、調理師やパン職人、パティシエや和菓子職人、クッキングアドバイザーなど直接調理にかかわる人のほか、栄養学を修めて食生活のアドバイスをする栄養士・管理栄養士も含まれます。
 生活に欠かせない「食」を支えるフード業界の市場規模は大きく、外食産業だけを見ても年間の売上高は25兆円(※1)を超えています。みなさんの身近にあるコンビニ業界が約11兆円(※2)ですから、いかに大きな市場規模なのかがわかります。
 また、最近は“外食よりも安く、手軽においしいものを食べられる”という理由で「中食」(市販のお弁当やそう菜などを持ち帰り、家庭で食べること)を利用する人が増えています。このように、フード業界も人々のライフスタイルの変化に合わせて、どんどん変わっているのです。
 フード業界は、「食」という人々の暮らしに密着しているだけに、食生活の充実や健康増進、豊かな食文化・伝統の継承などの目的意識や使命感をもった人にふさわしい仕事だといえます。

※1 一般社団法人日本フードサービス協会「平成29年度外食産業市場規模推計」

※2 一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会 2017年度「JFAフランチャイズチェーン統計調査」

おいしい料理で人を幸せにすることが何よりのやりがい

食にかかわる人の喜びは、何といっても作った料理やお菓子を食べた人たちが「おいしい」と言ってくれること。おいしい食事やお菓子を食べて、不機嫌になる人はいないでしょう。男女を問わず、お年寄りから子どもまで、魅力的な食事やお菓子、飲み物で、人々を笑顔にすることができるのは、「食」にかかわる人々の特権です。実力重視の世界だけに一人前になるまでには大変な面もありますが、頑張れば頑張るほど腕に磨きがかかり、「一流」に近づけるのも事実。努力次第で人々に認められるところにも、やりがいを感じる人は多いようです。

食に対する興味・関心が高まる一方で、食の安全も求められている

 外食は人々にとっては身近な「レジャー」といっても過言ではありません。旅行やドライブなどを含めた「レジャー市場」の中でも外食は国内観光旅行に次ぐ2位となっています(※3)。また、人々の食べ物に対する関心の高さは、インターネットに飲食店の情報がたくさん掲載され、SNSには食べ物の写真があふれていることからもわかります。人々のおいしい料理に対する期待は、今後も大きく変わることはないでしょう。
 このように食べ物に対する関心が高い一方で、食の安全に対する視線は厳しく、子どもたちの健康と密接にかかわる「食育」にも社会的な注目が集まっています。おいしい料理をつくるだけでなく、栄養士などに求められる専門知識・技能も、今後ますます重視されるでしょう。

※3 公益社団法人社会経済生産性本部「レジャー白書2018」

取得する資格によって異なる多様な職場

フード業界に従事する人の活躍の場は多岐にわたります。調理師ならレストランやカフェ、学校給食センター、フードコーディネーターなら飲食店のプロデュースや料理教室の運営、クッキングアドバイザーならデパートやスーパーでの実演のほか、顧客の自宅に赴いて調理することもあります。管理栄養士なら病院や学校、保健所などの給食施設で調理師の指導にあたったり、食品会社の研究職や栄養コンサルタントとして働いたり。働き方も、企業や店舗の社員として働くこともあれば、クッキングアドバイザーのようにフリーランスとしてメーカーと直接契約することも可能です。調理師なら自分のお店を開くことも夢ではありません。自身のライフスタイルや将来展望に応じて働く形を選べるのも、フード業界の魅力の一つなのです。

こんな仕事があります!

ひとくちにフード業界といっても、さまざまな仕事があります。
代表的な仕事を挙げてみますので、気になる仕事をクリックして仕事内容をチェックしてみましょう。