文学を学んでいる先生のインタビュー

プロフィール

ビュールク・トーヴェ先生

埼玉大学大学院

人文社会科学研究科

1974年フィンランド生まれ。2014年立教大学日本文学博士課程後期課程修了、博士(文学)。2014 年10 月より現職。近世日本文学を専門に研究している。

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この学問の面白さとは?

歌舞伎役者の日記から江戸時代の大衆演劇を分析!

先生の探究ヒストリー

夢中になったきっかけ

日本文学を学ぶため来日

ドイツの大学に進学する前、日本の友人に影響を受けて、日本の小説を何冊も読みました。その後、大学で日本語を学ぶようになり、日本の大学に留学しました。日本では、「二代目市川團十郎の日記」の研究を恩師に勧められました。私は、團十郎が描く日常生活に一気に惹き込まれていきました。

現在の研究内容

日記から見えてくるもの

二代目市川團十郎は、江戸時代中期に活躍した歌舞伎役者です。彼の日記を読み解くと、いろいろなことが見えてきます。
例えば、歌舞伎劇場をどのように運営していたのか。どんな人が歌舞伎を観に来ていたのか。日記には、宣伝のために今でいうチラシを作ったり、役者のブロマイドを販売した記述もあります。現代の大衆演劇に通ずる仕組みがすでにでき上がっていたのです。「お金になるなら何でもやってみよう」という商売魂も見えてきて、それがとても興味深いですね。

高校生へのメッセージ

自分の心の声を聞こう

たとえ遠回りになっても、好きなことを貫いてください。私も子どもの頃から好奇心旺盛で、母国フィンランドの大学で学んだ後、ドイツに留学したりと、たくさんの遠回りをしてきました。でも、好きなことに打ち込んできたから、充実した人生を送れていると思います。皆さんも、「自分の心の声」を聞いて、焦ることなく進路を選んでください。

先生が研究する「二代目市川團十郎の日記」の写し。
先生が研究する「二代目市川團十郎の日記」の写し。

先生の探究STORY

学問に目覚めたきっかけ

子どもの頃から本を読んだり地図を見たりするのが好きで、西欧文学から日本文学まで、さまざまな国の文学に親しんだ。

日本の大学に留学

母国の大学で国際法を学んだ後、ドイツの大学で日本学を専攻。29 歳のときに来日し、日本の大学で日本文学の研究を行う。写真は日本の大学卒業時。

恩師の勧めターニングポイント

大学院博士課程後期に進学。恩師の勧めもあり、「二代目市川團十郎の日記」を研究対象に定める。

学問の魅力を感じられる
先生オススメの1冊

『地底旅行』
岩波書店
ジュール・ヴェルヌ/著 朝比奈弘治/訳

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