社会学を学んでいる先生のインタビュー

プロフィール
菊地淑人先生
生命環境学部 地域社会システム学科
筑波大学大学院人間総合科学研究科博士後期課程修了。国立文化財機構奈良文化財研究所を経て、2016年より現職。
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この学問の面白さとは?
文化や歴史を生かした魅力的な地域づくり
先生の探究ヒストリー
夢中になったきっかけ
遺跡から見えてきたこと
古代史が好きだった私は、大学で考古学を専攻し、古墳時代の遺跡について研究しました。やがて遺跡から「今」に思いをはせるようになり、「遺跡や遺物などの文化財は、今を生きる人々とどうつながるべきなのだろう」と疑問に思いました。そこで大学院では、「文化財保護に関する理論や政策」について学び、地域に残る文化的景観の調査を行いました。
現在の研究内容
よりよい地域づくりのために
皆さんは、自分が住んでいる地域に、どのような歴史や文化財があるか知っていますか。例えば山梨県はぶどうやワインが有名ですが、どのようにして人々に知られるようになったのでしょうか。
私は、歴史や文化資源を生かした地域づくりや観光地づくりについて研究しています。実際に地域に出て歴史や文化を調査すると、今まで気づかなかった「地域らしさ」が見えてきます。フィールドから得た知見を地域づくりの「理論」と結びつけることで、持続可能で魅力的な地域づくりに貢献できたらと願っています。
高校生へのメッセージ
地域らしさを肌で感じよう !
社会学系統は、社会に存在するさまざまな現象について研究する学問です。例えば観光をテーマに地域で調査を行うと、自然や歴史、生活、生業*など、地域らしさを立体的に理解できます。ぜひ積極的に外に出て、皆さん自身の目で地域の魅力を感じ取ってください。
*生活のための職業
先生の探究STORY
学問に目覚めたきっかけ
中学生時代、家族旅行で奈良・京都を訪問し、飛鳥地方の遺跡に興味を抱くように。高校の授業で亀石という古代の石造物について調べ、論文にまとめる。
大学時代
考古学を専攻、遺跡の発掘調査に参加。炎天下、刷毛で土器を慎重に発掘するのは大変だが、同時に「遺跡に近い場所にいる!」と実感。
現代とのつながりターニングポイント
考古学の研究に取り組みながら、「文化財は“今を生きる人たち”とどうつながるべきなのだろうか」と疑問を抱く。
学問の魅力を感じられる
先生オススメの1冊

『場所の力—パブリック・ヒストリーとしての都市景観』
学芸出版社
ドロレス ハイデン/著