住居学
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住居学 学問の内容
よりよい生活のデザインと住環境を提案する
住居学は、工学系統の建築学と兄弟のような関係にあります。建築学が“建物”というハード面とすれば、住居学は“生活スタイルの設計”というソフト面の担当です。住居学の研究成果が建築学に反映されて、よりよい住宅や宅地造りにつながっていくのです。
住居学では、生活のなかで効率的に行動するためには、どのような室内が必要なのかを考えることからスタートします。例えば、料理と食事という二つの行動から、ダイニングキッチンという形が生まれています。このようにさまざまな住み方の問題をとらえ、分析・観察しながら、よりよい生活のデザイン・住環境を提案していきます。
現代社会では、マンションなど集合住宅での共同管理のあり方や、隣近所と気持ちよく暮らすための生活ルールのあり方、あるいは高齢化社会に向けての住居のあり方など、住居学が取り組むべき問題はたくさんあります。
経済大国といわれていても、日本の住環境の水準はそれほど高くありません。住居のなかの問題をはじめ、地域も含めたより広い生活の場を研究対象とすることで、住居学は国民全体の住生活の発展に寄与することをめざしています。
住居学 大学選びのアドバイス
ほとんどの大学では生活科学部、家政学部、生活環境学部などに置かれた学科や専攻・コースで学んでいく。工学系統の建築学科でも学べる場合があるが、建物のハード面を重視した内容に限っていることもあるので注意が必要だ。
住居学に関連した学科では、カリキュラムはコースや専攻などに細かく分かれているケースが多い。単に学科名だけで探すのではなく、いろいろな学科で住居学が学べるコースや科目があるかを調べるのも大切だ。
住居学 時間割例&カリキュラム
設計から計画まで実習はさまざま
住居学のカリキュラムは、ほとんどの大学で住生活、生活環境、住居意匠、住居管理の4つの分野を中心に組まれています。具体的な専門科目としては、住生活学、居住地計画論、住居管理学、住居意匠学、住居環境学、住居設備学、住居計画学、住宅一般構造学、室内造形学、住宅材料および施工法などがあります。そのほか住居史や造園学などを選択科目にしているところもあります。
設計や製図の実習はつきもので、ある部屋のデザインコンセプトを決め、家具や窓、照明などの配置や設計をするインテリアデザインの実習を行う大学もあります。
先輩の時間割例
Mon | Tue | Wed | Thu | Fri | Sat | |
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1 | 材料学 | |||||
2 | 生活機器学 | 住居安全工学 | 生活界面科学 | 住居管理論 | ||
3 | 設計製図 | 環境デザイン演習 | 住居政策論 | 建築設備 | 設計製図 | |
4 | 設計製図 | 長寿社会環境学 | ||||
5 |
住居学 卒業後の進路
卒業と同時に2級建築士の受験資格が取得でき、また卒業後2年以上の実務経験を積めば1級建築士の受験資格とインテリアープランナーの登録資格が得られるケースもある。それらの資格を生かして、住宅・家具メーカー、設計事務所などに就職するケースが多い。また大学院に進学して、研究を続ける人もいる。