応用物理学
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応用物理学 学問の内容
物理学の理論を技術開発に生かす
応用物理学は、物理学の知識を応用して新しい技術の開発を促進することを、基本的な目標としています。
技術開発の例では、特殊フィルムの上にレーザー光線を使って立体像を描くホログラフィーの技術や、生体の組織を原子レベルで見ることのできる走査トンネル顕微鏡の発明があります。また、基礎的な技術をさらに開発する研究では、大規模集積回路の技術が進歩しました。この集積回路は、家電のICチップからスーパーコンピュータの巨大メモリーまで、広く利用されています。このような技術開発が進むことで、この成果を利用している他分野の研究も大きく変化していきます。
応用物理学で今注目されているのは、陽子や中性子などの素粒子研究です。またより高度なLSI技術の開発、メモリーの性能をさらに高め、かつ小型化する研究も注目されています。
この応用物理学の研究そのものは工学的ですが、理学系統である物理学の問題を常に含んでいます。理学と工学の接点にあって、二つの領域をつなぐ役割を果たしています。
応用物理学 大学選びのアドバイス
応用物理学は、工学部に設置された学科で学んでいくのが一般的だが、理工学部、基礎工学部などに学科を設置している大学もある。学科としては応用物理学科が最も多いが、物理システム工学科、物理工学科などでも学べる。
基本的に押さえておきたいのは、応用物理学は新技術の開発をめざす学問で、物質の本質を明らかにする物理学とは理念が異なるという点だ。このことを認識したうえで、大学選びをしたい。例えば、物理学も応用物理学も学びたいという希望を持つのであれば、両者を並行して学べるようなカリキュラムを組む大学を探してみるとよい。
もちろん施設・設備の充実度もチェックしよう。
応用物理学 時間割例&カリキュラム
実験・実習から物理に触れる
基礎科目としての数学や物理学はもちろん、力学、電磁気学、光学、量子力学、統計力学などを専門基礎科目として学ぶことになります。専門科目としては、原子物理学、物性物理学、固体物理学、量子力学、磁性体物理学、情報工学、半導体工学などがあります。物理学よりも工学的な科目を多く履修することになります。
応用物理学では実験・実習が重視されていて、多くの時間があてられています。内容も基礎的な実験から、ソーラーカーの試作のような応用的なものまでさまざまです。
先輩の時間割例
Mon | Tue | Wed | Thu | Fri | Sat | |
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1 | 有機化学 | 電磁気学演習 | 熱統計力学 | 物理数学 | ||
2 | 数値解析 | 英語 | 物理数学演習 | 熱統計力学演習 | コンピュータ プログラミング |
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3 | 連続体物理 | 物理学実験 | 量子力学 | |||
4 | 電磁気学 | 分子生物学 | 教育学 | |||
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応用物理学 卒業後の進路
大学院へ進学して研究を続ける人が比較的多い。特に、物理工学科は設置されている大学の数自体が少ないこともあり、進学率が非常に高くなる傾向にある。就職を考えた場合、企業などの研究職の求人は大学院修了者を対象としているものがほとんどなので、進学率は今後も上昇する傾向にあるといえる。
就職先は電気、電子機器、光学、精密機器などをはじめとして、幅広く研究職、技術職として就職するのが一般的である。