被服学

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被服学 学問の内容

科学と文化の両面から被服を考える

人間生活と被服とのかかわりを、科学と文化の両面から研究していくのが被服学という学問領域です。かつては洋服や和服の縫製技術とその理論の修得が主でしたが、現在では繊維素材の開発・生産から被服のデザイン、縫製、販売、消費にいたるまでをトータルに研究する学問となっています。
研究内容には、被服材料学、被服管理学、被服整理学、被服衛生学、被服構成学、服飾美学・服飾史、被服意匠学・服飾デザイン、被服消費学などがあります。
「被服材料学」では、繊維や布といった個々の素材の特質を研究し、それらの組み合わせなどを考え、着用時に快適な被服材料を探っていきます。「被服衛生学」では着心地や構造・機能などを研究して、発汗などの生理現象と被服の関係や、重ね着による保温効果などの研究をします。「服飾美学・服飾史」は、服装の歴史やデザインの視点から、絵や演劇、文学に登場する衣類も対象に含めて研究していきます。
また被服には、身体を覆う実用面だけでなく、自己を表現する“個性の演出”という面があります。今後はこういった服飾文化という面の研究が進んでいくことでしょう。

被服学 大学選びのアドバイス

被服学が学べる学科の多くは、女子大に設置されている。男子で被服学を勉強したいというと、選択肢が限られる。また、生活科学系の学科で被服学を専攻できるケースもある。
被服学にもいろいろな研究分野があり、大学によって特色がある。デザインの勉強がしたい、新しい素材を開発したい、ファッションの歴史を勉強したいなど、希望が明確な場合は、あらかじめ大学案内などでカリキュラムをチェックしておきたい。
大学院は修士課程まで設置している大学がほとんどである。大学院進学を考えている人は、大学院の設置状況も調べておこう。

被服学 時間割例&カリキュラム

自分で服が作れるまでを学ぶ

服の性能を材料の観点から研究する被服材料学、服の管理について学ぶ被服管理学、服が人体に与える影響を生理学や衛生学の見地から研究する被服生理学、実際に服を作る際の理論と技術を習得する被服構成学があり、被服学のカリキュラムではこの4つが大きな柱になっています。このほか、被服美学や文化史といった科目を置いている大学もあります。
被服学を学ぶには実習が欠かせないのはいうまでもありません。デザイン画を完成させることを目的とした実習、いろいろな人の体型にあわせて裁断や縫製を行うことを学ぶ実習など、身につけた理論を実践するための実習が数多くあります。

先輩の時間割例

Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1 図画・工作(2) 教育メディア論 住宅福祉論
2 消費生活
コンサルティング論
博物館学
3 被服材料学実験 被服設計学実習 病理学 色彩学
4 消費者商品学 服飾美学

被服学 卒業後の進路

卒業生の多くは、学んだ知識を生かして、アパレル企業、繊維メーカー、服飾デザイン会社などファッション関係の企業で衣服のデザインを行ったり、デパートなどの流通関係の企業に就職したりする。また、服飾関係の出版社などに就職する人や、生活科の教員になったり、大学院に進んで研究を続ける人もいる。

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