質の高い教育ができる人材の養成が目的
教員養成系は、“教員養成コース”と“ゼロ免コース”に分けられます。
“教員養成コース”は、教員の養成(教員免許の取得)を目的とし、幼稚園、小学校、中学校、高校、特別支援学校の各教員養成課程に分かれて学びます。公立学校では近年、定年退職を迎える教員の増加や、少人数指導の導入により採用数は増加傾向にありますが、教員志望者は多く、今後も厳しい状況は続くと見られるため、より質の高い教員の養成に力が注がれています。
“ゼロ免コース”は、免許取得は義務づけない課程です。ここでは生涯教育など、学校教育の枠を超えた研究が進められています。研究内容は、就学前の乳幼児の早期教育、社会人や高齢者といった学校教育以降の世代への教育方法など、興味に応じてさまざまなテーマが選択できます。
今学校は、いじめや不登校などさまざまな問題を抱えています。教員になるためには、教科の知識や教え方の技術だけでなく、こうした現実の問題に対処していく心構えが大変重要です。児童生徒とともに成長していくこと、それを生きがいに思えること、優しさと厳しさを兼ね備えること、さらに何事にも体当たりしていける姿勢と粘り強さ、そういったものが教職をめざす人には必要なのです。
教育周辺の幅広い視野と専門知識を養う
ここでは教員養成コースについて触れます。1・2年次では、教養教育科目や基礎教育科目を数多く履修して学問の基礎を学び、広い視野を養います。
3年次になると、教育の本質や目標、子供の発達過程や学習のあり方、各教科の指導法などを身につけるための科目を履修します。それと併せて、授業で教えることになる専門科目も当然のことながら履修します。また、学校に行き、実際に授業を行う「教育実習」も欠かせないカリキュラムです。
授業内容は多彩で、ある大学の教員養成課程では、3年次からの教育実習に向け、1年次から地域の学校の子どもたちとふれ合う事前実習を行っています。
実際にこの学問を学んでいる先輩の時間割例です。
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Mon |
Tue |
Wed |
Thu |
Fri |
Sat |
1 |
ピアノ伴奏法 |
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特別活動 |
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指揮法 |
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2 |
考古学概説 |
初等科体育 |
音楽史 |
声楽演習 |
和声学演習 |
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3 |
道徳教育の研究 |
中学校 |
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幼児 |
初等科図画工作 |
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4 |
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保育原理 |
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合唱 |
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5 |
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生活科研究 |
合奏 |
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教員の採用数は増える傾向にあるが、採用試験は難関。そのため、教育産業やそのほかの一般企業に進む人もいる。障害児教育教員養成課程の卒業生は、特別支援学校の教員以外に、高齢化や少子化に伴うさまざまな介護の必要性から、社会福祉施設に就職する人も目立つ。
第一に、自分が教えたい学校・科目の免許が取得できるかどうかが重要。小学校教諭や養護教諭などの免許は教員養成系の学科でなければ取得できないが、中学校や高校の教員免許は、教員養成系の学科以外でも取得できる。
また、最近の教育現場の傾向を踏まえたカリキュラムになっているか、特に、コンピュータ教育やいじめ問題などを扱った科目があるかどうかも、要チェックだ。
一般的に「教員就職には地元の大学が強い」といわれている。特定地域の教師になりたいと考えているのなら、その地域への教員就職実績を必ず確認しておくこと。
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