実験をとおして、物質の本質と特性を解明する
物理学は、物質の本質と特性を徹底的に究明していく学問です。ここでは特に、常に原点に立ち返って、そこから物事を考えていくことが必要です。
物理学の主な分野には、力学や電磁気学などがあります。「力学」では、微分積分を使って力と運動についての理論を学んだのち、高度な数学を用いて研究していきます。「電磁気学」では、電気や磁気の起こすいろいろな現象を研究します。また、現代物理学の中心である「量子力学」の分野は、光が粒子としての性質を持つことなどを理論的に体系づけていきます。ほかにも「統計力学」や「熱力学」、またこれらを応用した分野も数多くあります。
物理学は“立証科学”であり、どの分野も実験の欠かせない学問です。これまで、複雑な自然現象のなかから本質的なものを見つけ、自然を単純にした状況を作って研究することが多かったのですが、近年、自然ではあまり起こらない状況を人工的に作り、そこで実験を進める方法が出てきています。
今後の物理学では、物質の研究においても、情報科学や生命科学といった分野の視点を加えることが必要になってきています。
実験を通じて研究テーマを決める
物理学の基礎となる学問に、力学、電磁気学、熱力学、量子力学、統計力学の5つがありますが、多くの大学ではこれらの学問を必修科目にしています。そのほかに物理数学、原子物理学、相対性理論、物性物理学、素粒子論、流体力学、電気力学、量子力学などを選択科目として、実験を交えながら履修するのが一般的です。また物理学の研究にはコンピュータの利用は不可欠ですから、コンピュータ関連の科目も履修することになります。
これらの実習・実験を通じて設置されている研究室をひととおりまわったあと、3年次以降の自分の研究テーマを決めることになります。
実際にこの学問を学んでいる先輩の時間割例です。
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Mon |
Tue |
Wed |
Thu |
Fri |
Sat |
1 |
情報科学 |
総合英語 |
中等教育原論 |
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地学 |
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2 |
物性物理学序論 |
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量子力学 |
相対論 |
力学系理論 |
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3 |
物理数学演習 |
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総合コース |
数理物理学 |
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4 |
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初等解析学 |
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大学院へ進学し、研究者になる人も多いが、一般企業に就職する人もいる。
就職先は電気・機械メーカーを中心に、コンピュータソフト、金融など多様だ。ただし、企業でも研究職については大学院修了者の採用に積極的なため、進学希望者は今後ますます増えるだろう。それ以外の進路としては、教員、公務員などもある。
物理学を扱う学科は、一般的には理学部のなかに置かれているが、理工学部や文理学部に置かれている大学もある。学科の名称は、物理学科が圧倒的に多い。ほかにも、物質科学科、物質生命理工学科、数物科学科などがあるが、いずれも、ごく少数の大学にしか見られない。
物理学を学べる大学は、国公私立を問わず数多くある。大学院も、物理学が学べる学科を設置している大学の多くに置かれている。ただし、研究分野がいくつかに分かれているので、自分が学びたいことを研究しているかが選択のポイントとなる。
また、研究設備は充実しているかどうか、大学院は併設されているかなども確認したい。
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