保健学
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保健学 学問の内容
社会と環境と“人間の健康”を考える
保健学は、人間の健康を保つための学問です。予防医学が主な研究対象となるため、医学や薬学とは深い関係を持っています。また、健康維持の基本となる食生活についても学んでいきます。
保健学は主に3分野に分かれ、「衛生保健学」では、かぜやエイズといった疾病の原因の分析やその予防と、身体的・精神的健康の維持・増進方法の研究をします。「保健・環境科学」では、公害などの人間を取り巻く環境の中で健康を阻害する要因の分析と、その対策の研究を行っています。「保健・栄養学」では、栄養学や食品衛生学の観点から考える健康維持のための食生活を研究します。
このような従来の研究に加えて、病気に社会がどう対応するかを考える研究も、保健学に期待されています。例えば、認知症と高齢化社会の問題では、介護のあり方や介護をする人の健康についての研究が進められています。また、高血圧症や糖尿病と食生活の問題、スギ花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー問題など、新しい疾患に対して、まったく新しい視点からの研究も要求されています。
保健学 大学選びのアドバイス
保健学は、保健学部・健康科学部・健康福祉学部などに設置された学科で学んでいく。
保健学は複合科学という特色があるため、カリキュラムも多岐にわたる。そのなかで、自分の興味の対象となるコースを設置している大学を選択することがポイントだ。また、実験や臨床実習のための関連施設が充実しているかどうかも調べておく必要があるだろう。
大学院を設置している大学はまだ少ない。大学院への進学を考慮している人はチェックしておこう。
保健学 時間割例&カリキュラム
臨床医学から社会学まで扱う
保健学は予防医学から独立したことから、基礎となる知識は臨床医学に関するものが多くなっています。そのため解剖学や薬理学などのほか、生理学、病理学、免疫学、血液学などに、ほとんど"臨床"の2文字がついています。そのほかにも、保健思想の啓もうをめざすことから、社会学系統の科目、教育学系統の科目を履修する場合も多くありますし、環境学や食品衛生学など人間を取り巻く環境に関する科目もあります。
実際の授業では、血液の研究や、水質の調査、サルモネラ菌やブドウ球菌の研究など、人間やそれを取り巻く環境全般について学びます。
先輩の時間割例
Mon | Tue | Wed | Thu | Fri | Sat | |
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1 | 地域福祉論 | 福祉工学特論 | 高齢者保健福祉 特論 |
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2 | 障害科学特論 | 感覚系機能論 | 心理臨床学I | 社会福祉援助 技術各論II-A |
社会福祉援助技術現場実習 | |
3 | 保健福祉行財政論 | 社会福祉援助技術演習 | ||||
4 | 精神保健福祉学 特論 |
家族福祉論 | 発達神経学特論 |
保健学 卒業後の進路
専門知識を生かして小学・中学・高校で養護教員として、また、医療・保健機関などで臨床検査技師、医療ソーシャルワーカー、管理栄養士、栄養士として働く人が多い。そのほか、食品会社など一般企業の研究室で開発・研究に携わる人や、大学院進学の後、大学や民間の研究施設などで研究職に就く人もいる。