病棟クラークの仕事の内容

病棟に必要な事務のすべてを担う、事務のプロフェッショナル

　クラーク（clerk）は日本語で「事務員」を意味する。病棟クラークは病院の事務部門のひとつで、特に入院患者向けの病室がある病棟の専属事務を受け持つ職業だ。病棟クラークの対となる言葉として、外来の事務を受け持つ「外来クラーク」という職業もある。混同しないように注意しよう。

　病棟クラークは事務員であり、病棟で発生する事務全般を担っている。代表的なのは入退院の受付と手続きだ。入院する患者に対して申込書や同意書の記入を促したり、院内の設備や施設を説明したり、退院する患者の支払いに対応したりしている。また、直接患者と接しないところでは、入院患者のカルテの作成や整理、おむつのような備品の手配、書類全般の整理も行う。中には病室の片付けや、病室のネームプレートづくりなどを行う場合もあり、病棟で発生するほとんどの事務作業が仕事の範囲と言っていいだろう。

　病棟クラークは基本的にナースステーションに、一人で常駐する。仕事の量が多いわりに、そのほとんどを一人で受け持たなければならないので、忙しく感じる人もいるようだ。一方で、医師のように直接的な医療行為を行うことはなく、特別な資格がなくてもなれる。病院を陰ながらサポートしたいと考える人に向いている職業と言える。