理学療法士（PT）の就職先・活躍できる場所

病院・診療所が中心、福祉施設も

　理学療法士の主要な就職先は医療施設、老人福祉施設だ。日本理学療法士協会によると、所属する理学療法士のうち約６割が医療施設に勤めている。医療施設や老人福祉施設に比べると数は減ってしまうが、スポーツメーカーやスポーツチームで働く理学療法士もいる。

○医療施設

　ここでいう医療施設は病院やクリニックのこと。一口にリハビリテーションと言っても、呼吸器・運動器・心臓など、疾患によって対処は異なる。そのため大きな病院では、疾患別にチームを組んで臨むことが多い。また急性期のリハビリテーションを行う病院、回復期のリハビリテーションを行う病院と、病状によって強みとしているリハビリテーションが違う場合もある。

　入院患者や外来患者だけでなく、自宅療養中の患者を訪問してリハビリテーションを行う病院も少なくない。

○老人福祉施設

　老人ホーム、デイサービスセンターなど、高齢者向けの福祉施設でも理学療法士は活躍している。

　特徴は高齢者のリハビリテーションに携わること。高齢者は複数の疾患を持っていることがあるうえ、体力が低下しておりリハビリテーションの効果が現れにくい。個々人に合わせたリハビリテーションを考える必要がある。理学療法士にも高いスキルが求められる。

　また施設によってはその人の終末期、余生に関わることもある。単に身体機能の回復や維持だけを考えるのではなく、その人が精神的に自立し、最期まで充実した日々を過ごせるよう支える役目も担うことが求められる。