助産師にふさわしい人

出産に携わる覚悟と倫理観、思いやりを持っていること

　助産師は命の誕生に関わる職業だ。子どもが好きであること、命を尊いものだと捉えてその誕生を喜ぶことのできる感性は欠かせない。また出産の状況次第では、母子の健康が危機に瀕したり、命を落としてしまったりすることもある。危機的な状況でも冷静でいられることや、難しい判断を下す責任感も大切となるだろう。

　助産師は出産の場面だけでなく、産前の意思決定や産後のケア全般にも携わる。女性のさまざまなライフステージに関わる職業であることから、高い倫理観が必要とされる。特に産前の意思決定については、望んで妊娠しなかった人に出会うこともあるだろう。妊娠に関してさまざまな価値観があることを認めたうえで、その人個人を支援しようとする視野の広さや思いやりを持っていることも大切な資質となる。

　一方で、ほかの医療職と同様に多くの職場で夜勤もある。体力勝負となる面もあるので、体が丈夫であることや体力に自信があることも適性の一つと言えるだろう。なお、助産師は現在の法律では女性しかなることのできない職業だ。そのため女性であることが働くための必須条件となる。