臨床心理士(CP)の仕事の内容
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臨床心理士の仕事の内容
ストレス社会の頼りになるカウンセラー
臨床心理士は、精神的な悩みを抱える人たちの相談相手となり、さまざまな心理療法で心の問題解決を援助する、心理カウンセリングのエキスパートである。いわゆる「カウンセリング」を行う人はさまざまだが、臨床心理士は、日本臨床心理士資格認定協会が認定する資格を持った人である。大学院レベルの高度な専門知識と臨床経験が認定の条件となっているため、臨床心理士は極めて信頼性の高いカウンセラーと言える。臨床心理士の仕事には次のようなものがある。1)面接や観察、心理検査などで、クライアント(相談者)を知り、援助方針を判断する。2)必要に応じて臨床心理学的な技法を使って、精神の回復援助をする。3)ほかの専門家と協力して、クライアントを取り囲む環境へ働きかけたり、研究活動を行う。臨床心理士の仕事場は、病院の臨床心理室や開業心理クリニックなどの医療機関、自治体の教育センターやスクールカウンセラーなどの教育分野、児童相談所や児童福祉施設などの福祉分野、企業の健康管理室、少年院、刑務所など広範囲に渡る。
このように、臨床心理士の活躍できる場所はさまざまで、いろいろな人を相手にカウンセリングを行っている。例えば病院の場合、主治医の治療に役立てるために、いくつかの心理テストを行い、患者の性格や考え方を分析する。また、カウンセリングとして患者の相談に乗ったり、さまざまな心理療法を使って患者の心の負担を軽くしたりすることも多い。特に子どもの患者に対しては、遊びを通して心の課題を解決する「プレイセラピー」を実施することもある。
教育現場でのスクールカウンセラーとしての役割も強く期待されている。行う業務は病院と同様、検査やカウンセリングだ。相手は生徒のこともあれば、保護者、教員の場合もある。また、いじめや不登校に関する相談に対しては、心の負担を軽減するだけでなく、問題の解決に向けてどのようにすべきか具体的にアドバイスをしたり、教員や医師、行政の担当者など、関係者と情報を共有して問題の解決に役立てたりもする。
このほかにも、少年院の受刑者に対して、カウンセリングを通して矯正を手助けするなど、場面に応じてさまざまな役割を演じるのが臨床心理士の特徴だ。